環状2号線、小池都知事のパフォーマンスで2年遅れて完成へ 東京五輪には間に合わず

 政治家の “人気取りパフォーマンス” は世間に悪影響を及ぼす可能性がある行為と言えるでしょう。

 日経新聞によりますと、東京都は環状2号線を2022年度を目処に完成させる方針であるとのこと。臨海部の開発にとってはプラスですが、当初の開通予定が2020年の東京五輪前だったことを考えると、小池都知事のパフォーマンスが悪影響を及ぼしたと言えるでしょう。

 

 東京都は都心や臨海部を通る幹線道路「環状2号(環2)」を、2022年度をめどに完成させる方針を固めた。当初は20年の東京五輪・パラリンピック前の完成を目指していたが、築地市場の移転延期で約2年遅れになる。東京臨海部はタワーマンションなど大型開発が相次いでおり、環2の完成時期にめどがつくことで、開発にさらに弾みがつきそうだ。

 「開発にさらに弾みがつきそうだ」との表現が容認できません。なぜなら、小池都知事が加担した築地移転騒動で予定外の遅れが生じていたからです。

 「ようやく、当初計画の完成に目処が立った」との批判的なニュアンスが含まれているべきと言えるでしょう。

 

都知事の「人気取りパフォーマンス」で幹線道路の開通が遅れる

 当初、環状2号線は2020年に行われる東京オリンピック・パラリンピックを前に開通する予定でした。

 ルートは「新橋から築地・勝どきを通過して豊洲への通じる」というもので、オリンピックの選手村も経路上にあります。そのため、都心で競技が行われる五輪開催前までに環状2号線を完成させている必要があったのです。

 しかし、小池都知事は『築地移転反対派』に同調。都議選で移転反対キャンペーンを展開し、環状2号線の開通を遅れさせることになったのです。

 

環状2号線は「築地市場跡地を通過する計画」で建設が進む

 「築地移転問題」と「環状2号線の開通の遅れ」が結びつく理由はルート設定にあります。なぜなら、環状2号線は「築地市場跡地を通過する計画」で既に築地〜豊洲方面の建設はほぼ完了しているからです。

 築地大橋が完成済みであるにもかかわらず、一部の築地市場関係者は『移転反対』を掲げました。その理由は「引っ越し費用すら捻出できない」など赤字体質を理由とした身勝手なものです。

 企業経営が成り立たないなら、市場から退場すべきです。しかし、(免許制などで)新規参入を拒み、築地で商売をし続けたいなどとゴネる商売人に配慮した結果、物流網にも欠かせない幹線道路の開通が遅れるという問題が生じたのです。

 最終的には「築地市場は豊洲に移転」となりましたが、問題はまだ尾を引いている状態です。少なくとも、小池都知事の『築地市場の移転問題』を巡る一連の対応には大きな問題があると言えるでしょう。

 

「環状2号線」の “暫定開通” でどれだけお茶を濁すことができるか

 本来、東京五輪前に環状2号線は全線完全開通しているはずでした。ですが、築地移転問題で都知事がゴネたことで、暫定開通に留まったのです。

画像:築地市場跡地を通過予定の環状2号線

 もちろん、未開通より暫定開通の方がマシです。ただ、本来は『完全開通』しているはずの幹線道路が都知事などのパフォーマンスに加え、マスコミも加担したことで遅れたということを忘れてはなりません。

 2車線の予定で1車線となった上、迂回経路が採用されたことで、どれだけお茶を濁すことができるかが注目点であると言えるでしょう。

 

 少なくとも、「2022年に環状2号線の開通目処が立ったこと」は素直に評価できません。「2020年の東京五輪前に開通していなければならなかった幹線道路」であるからです。

 『築地市場の移転反対』に同調したメディアにも一定の責任があります。そのことを自覚し、小池都知事のマイナス点として批判をする責任があると言えるのではないでしょうか。