モリカケ最優先を理由に審議の日程協議すら拒否する辻元清美議員が「与野党関係なく震災からの復旧」に尽力できるのか
6月19日に大阪府北部で震度6を観測する地震が発生し、高槻市ではブロック塀が倒壊して女児が亡くなるという事故が発生しました。
視察および献花に訪れた辻元清美議員が「復旧のための課題は与野党関係なく進めたい」と話したと毎日新聞は報じていますが、これは自らの所属政党が行う国会対応とは真逆です。この点は指摘しておく必要があると言えるでしょう。
立憲民主党の辻元清美国対委員長は21日、地元の大阪府高槻市内を視察し、市立寿栄小のブロック塀倒壊現場などで被害状況を確認した。
(中略)
辻元議員は「復旧のための予算措置や耐震の問題など、与野党関係なく進めたい」と話した。
この発言内容は “地元選出の国会議員” として真っ当なものでしょう。むしろ、当たり前すぎてニュースとしての価値はほとんどないと言った方が適切ではないかと思われます。
ただ、辻元清美議員の発言ですので、意味が異なります。なぜなら、メディアを通す形で審議拒否を宣言していたからです。
「モリカケで満足いく回答がなければ、日程協議には応じない」と宣言
大阪府北部を襲った地震は6月18日に発生したのですが、その2日後に国会では会期延長が可決されました。
その際、辻元清美議員が記者団に「森友・加計問題での集中審議と証人喚問を要求し、その見通しがなければ日程協議には応じない」と述べたと NHK が報じているのです。
立憲民主党の辻元国会対策委員長は記者団に対し、「会期延長では与党が押し切ったが、『うみ出し国会』にしていく。加計氏の証人喚問は避けて通れず、予算委員会の集中審議などの見通しがつくまで、少なくとも衆議院の日程協議には応じられない」と述べました。
『日程協議に応じるための条件』を与党に突きつけた翌日に「与野党に関係なく、復旧のための措置を進めたい」と口にしているのです。“八方美人” や “二枚舌” では表面的な問題解決ができたとしても、根本的な解決は見込めないと言えるでしょう。
応援演説を受けるほど近い関係の濱田剛史・高槻市長を辻元議員は批判できるのか
基本的な復旧作業はインフラ企業が行ってくれるため、政治家が出る幕はありません。しかし、ブロック塀の倒壊事故で女児が犠牲になった高槻市は別枠でしょう。
「公立小学校」で「通っていた女児」が犠牲者だったことで、マスコミが喜んで取り上げる話題になってしまったからです。
野党は『行政側の落ち度』が明確な案件は国会で取り上げ、政権批判の材料として使う傾向があります。ただ、濱田剛史・高槻市長は2014年の衆院選で辻元清美議員の応援演説を行うなど、野党側の比重が高い政治家です。
そのため、高槻市立の小学校に設置された建造物に対する最終的な責任を持つ濱田市長に対しても、厳しい追求をすることができるのかが注目点だと言えるでしょう。
とは言え、災害対応など世間的に優先度が高いと思われる案件を軽視して森友・加計を騒いで来たのが現在の野党なのです。
立憲民主党は “真っ当な政治” を掲げていますが、党幹部の地元を襲った大地震でも方針が変化しないのであれば、それはそれで高く評価すべきと言えるのではないでしょうか。