ロシアW杯・ポーランド戦の試合展望
現地時間6月24日に行われたロシアW杯・グループHの第2戦で日本代表はセネガル代表と 2-2 で引き分け、勝点を4にまで伸ばしました。
日本代表の3戦目は敗退が決定したポーランド代表と28日(木)に対戦します。まさかの2連敗を喫したポーランド代表との試合についての事前分析を行うことにしましょう。
第3戦で勝点を獲得すれば、自力でグループ突破を決められる日本代表
日本対ポーランド戦は「両チームの立場が大会前の予想と入れ替わった状態で迎える一戦」と言えるでしょう。
- 大会前の予想
- ポーランド代表:勝ち抜け決定済み or 勝ち抜け目前
- 日本代表:敗退 or 勝利した上で他会場の結果次第によって勝ち抜け
- 第2戦を終えた現状
- ポーランド代表:敗退
- 日本代表:引き分け以上で自力でグループ突破
日本代表(勝点4)はポーランド戦を引き分け以上で終えると、自力でのグループ突破が決定します。これはセネガル代表(勝点4)とコロンビア代表(勝点3)が対戦するため、日本がポーランド戦で勝点を上積みした場合に両チームが勝点で日本を上回ることができないためです。
この点においては精神的な余裕を持って試合を迎えることができるでしょう。
ポーランド代表の基本戦術
ポーランド代表が用いる基本的な戦術は以下のとおりです。
- レバンドフスキが攻撃を牽引
- 「サイドの選手がドリブルでボールを持ち上がれるか」が攻撃のバロメーター
- 守備はブロックを構築し、手堅い試合運びを好む
攻撃の生命線となっているのは「サイドアタック」です。これはレバンドフスキ選手という大エースを擁しているため、エリア内で決定的な仕事をさせるという目的があるからです。
3バックと4バックを併用するチームで、守備は基本的にブロックを構築します。ハイプレスをすることもありますが、DF の走力が不足しているため、「待ち構えて、インターセプトからのカウンター」が基本と言えるでしょう。
ポーランド代表がロシアW杯の2試合で見せたプレー
ポーランド代表は第1戦目のセネガル戦は4バックで戦いましたが、パスワークが上手く機能しなかったこともあり、セネガル戦の後半から3バック(3-4-2-1)にシステムを変更しました。
セネガル戦の後半をプレーしたメンバーから、3選手が入れ替わり、2選手が異なるポジションでプレーしています。どちらの試合もポーランドが「ボールを動かす」との狙いを持って入ったのですが、結果は伴いませんでした。
「ボールを動かせすことはできたが、相手 MF の作る守備ラインを突破できなかった」ことがすべてと言えるでしょう。
それにより、レバンドフスキ選手が前線で孤立。攻撃の迫力が失われてしまったからです。つまり、日本代表もポーランド代表から勝点を手にするために、そのような守備網を構築できるかがポイントになるのです。
日本代表がポーランド代表から勝点を獲得するために必要なこと
「グループ突破が賭かった日本代表」と「敗退が決定済みのポーランド代表」ではモチベーションに大きな差があることが予想されます。
意地やプライドといった “誇り” でポーランド代表がどのぐらい組織として機能するかによって、試合の内容は大きく変わって来ることでしょう。ただ、攻守において、勝点を獲得するために以下の点は求められます。
- 攻撃面
- 攻めにメリハリを付ける
- 素早いサイドチェンジなどで相手の手薄なスペースを利用
- 2人目、3人目がサポートする形で連動
- 守備面
- レバンドフスキを前線で孤立させる
- 「プレス」と「ブロック」を状況に応じて使い分ける
- 最後まで走り切る
攻撃面の要求は「セネガル戦と同じ」であり、守備面での要求は「コロンビア戦と同じ」です。
相手のビルドアップには “プレス” を使い、レバンドフスキ選手を孤立させる。“プレス” を剥がされた場合は、素早く帰陣してブロックを構築して粘り強く守る。ボール奪取に成功すれば、空いたスペースを活用した連携攻撃で相手ゴールに迫る。
シンプルなプレーを90分間継続できるかが鍵でしょう。それができれば、ポーランド代表を相手に勝点3を獲得することができるはずです。
日本代表がポーランド代表に敗れた場合、コロンビア対セネガルの結果次第では日本代表にも敗退の可能性が生じます。勝点を獲得するためには得点がほぼ不可欠な状況ですので、西野監督がどのようなプランを用意して試合を迎えるのかに注目と言えるのではないでしょうか。