朝日新聞、2018年上半期で -2.67% の下落 販売部数は595万部にまで落ち込む
毎月15日に日本 ABC 協会が『新聞発行社レポート』を発行しているのですが、7月15日に2018年6月分の販売部数が明らかとなりました。
2018年上半期における新聞販売部数も判明し、朝日新聞の販売部数が595万部に落ち込んだことが確認できます。6月は588万部と部数の減少に歯止めをかけることができておらず、厳しい経営状況と言えるでしょう。
朝日新聞の販売部数
朝日新聞の2018年1月から6月までの新聞販売部数は下表のとおりです。
読売新聞 | 朝日新聞 | |
---|---|---|
2017年 7〜12月平均 |
8,732,512 (前期比:- 1.11%) |
6,113,315 (前期比:- 2.32%) |
2018年1月 | 8,676,028 (前月比:+ 0.18%) |
6,019,682 (前月比:- 0.32%) |
2018年2月 | 8,560,861 (前月比:- 1.33%) |
5,989,345 (前月比:- 0.50%) |
2018年3月 | 8,503,641 (前月比:- 0.67%) |
5,980,497 (前月比:- 0.15%) |
2018年4月 | 8,474,483 (前月比:- 0.34%) |
5,948,270 (前月比:- 0.54%) |
2018年5月 | 8,441,979 (前月比:- 0.38%) |
5,903,454 (前月比:- 0.75%) |
2018年6月 | 8,419,052 (前月比:- 0.27%) |
5,884,764 (前月比:- 0.32%) |
2018年 1〜6月平均 |
8,512,674 (前期比:- 2.58%) |
5,954,335 (前期比:- 2.67%) |
2017年下半期の平均販売部数は約611万部でしたが、それが半年で約595万部にまで減少しました。「安倍政権との対決姿勢」を打ち出し、読者にアピールしてきた編集路線の成果は見られなかったと言わざるを得ません。
ただ、ライバルである読売新聞も今年上半期は前期比 -2.58% と、朝日新聞の数字(-2.67%)と似たような結果でした。この点については一定の評価を下せる要因になるかもしれません。
「 “選ばれし者” との思い上がり」と「ダブルスタンダード」がネットで指摘され続けているという問題点
朝日新聞に限らず、新聞各社が信用を落とす理由はほとんどの人が実感していることでしょう。
- 最大で1日2回の配送制度であり、速報性でネットやテレビに劣る
- 記者が “選ばれし者” と思い上がっている
- ネットの普及により、ダブルスタンダードの実態が世間に知れ渡った
要するに、既存の新聞ビジネスで通用していた “強み” が時代の変化ですべて失われたことが部数減の大きな理由です。
ただ、ビジネスモデルを変更すれば、生き残ることはできるでしょう。しかし、簡単なことではありません。なぜなら、上層部や高給取りのベテラン社員が “抵抗勢力” になることが予想されるからです。
「新聞記者は素人で、専門家を取材する立場。専門的な情報を整理し、一般読者が理解しやすい表現で正確な情報を提供することが本分」との認識が当たり前になれば、経営難に陥るようなことはないでしょう。
情報を自社にとって都合の良い形に切り取り、それをニュースとして扱っている限り、部数減少に歯止めがかかることはないと思われます。他社に「変革」を求めたのですから、自分たちも変革に乗り出すべきと言えるのではないでしょうか。
■ 参考データ
ー 最新販売部数(2018年1月)
ー 最新販売部数(2018年2月)
ー 最新販売部数(2018年3月)
ー 最新販売部数(2018年4月)
ー 最新販売部数(2018年5月)