公的年金の運用、平成30年度(2018年度)の第1四半期は2兆円超のプラス

 公的年金の運用を担う GPIF が平成30年度4月から6月の運用実績を発表し、約2兆6000億円の黒字だったと NHK が報じています。

 資産額を着実に増加させている手腕は評価する必要があるでしょう。ただ、政権批判を行いたい界隈からすれば、批判をする “ネタ” にはならなかったため、『報道をしない自由』を行使するのではないかと思われます。

 

 公的年金の積立金を運用しているGPIF=年金積立金管理運用独立行政法人は、ことし4月から6月の運用実績について、円安が進み外国株式の収益額が膨らんだため2兆6000億円余りの黒字になったと発表しました。

 (中略)

 GPIFが運用する積立金の総額はことし6月末時点で158兆5800億円となっています。

 積立金を運用し、資産額を増やしている点は素直に評価しなければなりません。四半期ごとに成果を残し、累積額においてもプラスの運用成績を残しているからです。

 仮想通貨のような “バブル” に資金をつぎ込むのではなく、堅実な結果を残していることについては称賛に値するはずです。

 

GPIF の運用成績(平成30年度第1四半期)

 GPIF (= 年金積立金管理運用独立行政法人)がウェブ上で公開している今期の運用成績は以下のとおりです。

画像:GPIFの運用成績

 今期の収益は約2兆6000億円、資産額は過去最高の158兆5800億円を記録しています。

 年金は “早急に必要となる資金” ではないため、「長期的な視点」を置いた運用体系が求められます。年率 3% を超える水準で運用益を出している現行体制は高く評価されるべきです。

 

「安倍政権のプラスになるニュース」は自重する傾向が強いマスコミ

 「GPIF が公的年金の運用で今期(= 第1四半期)で約2兆6000億円のプラスだった」というニュースをマスコミはそれほど報じないでしょう。おそらく、経済関連のニュースで “フラッシュニュース” 的に軽く報じる程度だと思われます。

 逆に、マイナスの運用成績を残した場合は「失われた年金」などとの見出しをつけてワイドショーなどで何度も取り上げることが予想されます。

 安倍政権を批判したいマスコミは「安倍政権発足時からの運用益」を無視し、マイナスになった部分だけを切り取った批判を過去に行っています。視聴者や読者は『累積の運用益』まで確認しませんし、「受給者の年金が溶けた」と煽れば容易に騙せる温床があるからだと言えるでしょう。

 こうした偏向報道はメディアの信頼を著しく損なう行為であることを認識できていないことは致命的であると言わざるを得ません。

 

 GPIF の目標は「今年度を終えた時の運用資産額が160兆円を軽く超えていること」になるでしょう。

 第2四半期で160兆円を上回ることが現実的な目標ですが、目先の数字に固執する必要はありません。米中貿易戦争が激しくなっている状況であり、それによる影響なども考慮すべきだからです。

 まずは第1四半期で上々の滑り出しを見せた GPIF の運用実績を評価し、第2四半期以降も良い運用実績を維持することを期待しているとメディアなどは表明すべきなのではないでしょうか。