「暴力団員との交際」も理由なら、山根明氏は『辞任』ではなく『除名』とした上で擁護した理事も除名処分とすべきだ

 日本ボクシング連盟の山根明会長が「助成金の不正流用」や「暴力団員との交際」を理由に辞任したと NHK が報じています。

 ただ、『辞任』での幕引きでは影響力が残ることを意味しており、明らかに不十分です。「暴力団員との交際」も理由の1つなのですから、山根氏を擁護した理事を含めて『除名』とする必要があると言えるでしょう。

 

 選手への助成金の不適切な流用や暴力団員だった人物との交際などが指摘され、日本ボクシング連盟の会長を辞任した山根明氏が連盟の理事も辞任したことが連盟幹部への取材でわかりました。山根氏は日本ボクシング連盟のすべての役職から退いたことになります。

 (中略)

 ボクシング連盟の問題を指摘しているグループは、日本ボクシング連盟だけでなく、山根氏が会長を務めている関西の連盟などすべての組織からの影響力を排除するため、山根氏の会員資格を剥奪する「除名」の手続きを進める構えを見せています。

 山根明氏に連盟トップを務める資質が備わっていないことは明らかです。そのため、職を追われることは不可避と言えるでしょう。

 しかし、『辞任』では “院政” が可能となるだけに、辞任の申し出を受け付けること自体が問題です。したがって、影響力を排除するために『除名処分』を下すことが求められているのです。

 

「反社会的勢力との交際は問題ない」との認識は通用しない

 日本ボクシング連盟にとって問題なのは吉森照夫副会長が「反社会的勢力との交際は問題ではない」と擁護する見解を示したことでしょう。

 日本ボクシング連盟の吉森照夫副会長が岐阜市内で取材に応じ、山根明会長が暴力団員だった人物との交際を認めたことについて、「社会で間違いを犯した人はたくさんいるし、それぞれ人のつきあいがある」などと述べ、問題ではないという認識を示しました。

 公職に就いている人物に対し、制約が科されることは当然です。「一般人が暴力団員だった人物と個人的な友人関係にあること」と「国から助成金を受け取る団体のトップが暴力団員と個人的な友人関係にあること」は大きな違いです。

 この点を認識することができていない時点で、吉森副会長も組織の上層部にいる資格はないと言わざるを得ません。

 

「山根明氏が連盟の会長に就任した後も交際が続いていた」という事実は重い

 「中学校や高校の同級生に暴力団員となる人物がいたからアウト」という基準は拡大解釈による批判です。しかし、山根明氏の場合は「50年来の付き合いで、会長就任後も交際があった」のです。

 これは “お咎めなし” にできる範囲を軽く凌駕しています。

 しかも、暴力団の組長にまで上り詰めた人物と50年以上も関係があった訳です。元組長の引退後に組織を引き継いだであろう “現役の組長” との関係性の有無にも疑惑の目が向く訳ですから、「問題ない」との認識はあり得ないことなのです。

 反社会的勢力が跋扈することを防ぐために『暴対法』などで「ゼロ・トレランス方式(= 絶対に容認しないという方針)」が定められているのです。これを無視しようとする日本ボクシング連盟の姿勢は大きな問題と言えるでしょう。

 

 日本ボクシング連盟には「山根氏の意向に沿った理事」が在籍したままですし、「助成金の不正流用に深く関わった専務理事に残留を要請する」など組織として問題のある行為を連発している有様です。

 組織腐敗の典型例となっている状況を黙認するようなことがあってはなりません。再スタートを切るためには “黒い交際” が明らかになった人物は『除名』し、問題のある人物らの影響力を完全に排除することが不可避と言えるのではないでしょうか。