報道ステーションが町長選と町議選の出馬歴を持つ人物を “安倍首相に不信感を持つ一般人” として登場させ、「イージス・アショア導入反対」を語らせる

 イージス・アショアの導入する反対するテレビ朝日系列の『報道ステーション』が過去に町長選や町議選に出馬した経歴を持つ人物を「安倍首相に不信感を持つ一般の地元住民」との肩書きで導入反対論を述べさせています。

これは悪質な偏向報道の典型例と言えるでしょう

画像:報道ステーションの番組内容に対するファクトチェック

 

■ 報道ステーションが放送した内容

 テレビ朝日の『報道ステーション』は8月14日の放送で「 “イージス・アショアの導入に反対する地元住民” をインタビューした映像」を流しました。

画像:報道ステーションの番組内容

 イージス・アショアは秋田県と山口県に配備される計画が進んでいますが、(山口4区選出の)安倍首相のお膝元である阿武町の地元住民として白松博之氏が登場し、導入反対論を述べています。

 問題なのは白松氏が一般住民ではないことです。この事実を説明せず、安倍首相の方針に不信感を持つ一般の地元住民として番組が紹介したことは悪質と言わざるを得ません。

 

■ 事実

1:白松博之氏は2013年の阿武町長選に出馬している

 白松氏を「一般人」として扱うには無理があります。なぜなら、2013年4月に行われた阿武町長選に出馬しているからです。

画像:白松博之氏の選挙ポスター(2013年・阿武町長選)

 結果は現職の中村秀明氏が3選(PDF)を果たしました。

画像:中村氏の当選を伝える萩市の広報

 得票は中村氏の1977票に対し、白松氏は546票でした。町長選挙に出馬した経歴を持つ人物を “一般人” として紹介することは無理があると言えるでしょう。

 

2:2017年の阿武町議選にも白松博之氏は出馬している

 「1度でも出馬経験があれば、政治的と見なされるのか」という意見もあるでしょう。ただ、白松氏の場合は1度の出馬歴ではないのです。

 2017年11月に行われた阿武町議選に白松氏は出馬。定数8で争われた町議選で白松氏は12人中12位で落選しています。

 つまり、報道ステーションが一般人として紹介した白松氏は「町長選と町議選に出馬経験を有する人物」なのです。白松氏のような人物を「一般の地元住民」と番組で取り上げることは明らかに不適切でしょう。

 取材対象者の素性を確認していないなら、『報道ステーション』はマスコミとして致命的です。白松氏の素性を意図的に隠して放送したなら、偏向報道に手を染めていることと同じです。

 

 政治的な背景を持つ人物を “一般人” としてマスコミが取り上げ、安全保障を担う兵器システムの導入に反対する意見を述べる。

 このような番組内容は極めて悪質であり、国防を危険にさらす行為と言えるでしょう。『報道ステーション』のやり口に同業者から批判の声が上がらないのであれば、メディアに自浄作用はないと宣言していることと同じです。

 BPO による是正を期待できないだけに、BPO に代わる第三者組織による管理体制に変更する必要があると言えるのではないでしょうか。