西川龍一解説委員が時論公論で「8月11日の沖縄県民大会に7万人が参加した」とデマを流す

 8月17日に放送された NHK の『時論公論』で西川龍一解説委員が「8月11日に行われた沖縄県民大会に7万人が参加した」と発言しています。これは事実に基づかない発言ですので、フェイクニュースと言わざるを得ません。

画像:西川解説委員の発言に対するファクトチェック

 

■ 時論公論で西川龍一解説委員が発言した内容

 西川龍一解説委員は8月17日に放送された『時論公論』で以下の発言を行いました。

画像:8月17日に放送された時論公論の内容

 今年4月、翁長知事は膵臓がんの手術を受けました。健康を不安視する声もありましたが、姿勢は崩さず、先月、移設工事を止める手立てとして、埋め立て承認「撤回」の手続きに入ることを明らかにした矢先の訃報でした。

 沖縄では多くの県民がその死を悼み、先週末開かれた辺野古移設阻止を目指す県民大会には、7万人が参加しました。

 問題となるのは「8月11日(土)に開催された沖縄県民大会に7万人が参加した」という発言です。この部分が事実とは異なる訳ですから、偽の情報を流すフェイクニュースと言わざるを得ないでしょう。

 

■ 事実

1:7万人は「会場の収容可能人数」を大幅に超過した数字

 2018年8月11日に行われた沖縄県民大会の会場は奥武山陸上競技場(那覇市)でした。収容人数は芝生席で約9000人です。しかし、ネットに投稿された県民大会の空撮画像を確認する限りでは「7万人の参加」は虚偽と言わざるを得ないでしょう。

画像:ネットに投稿された県民大会の空撮映像

 参加の大部分は陸上トラックの中にいることが見て取れます。

 陸上トラック内部の面積は 11489㎡。満員電車が「1㎡あたり3人(=専有面積は 0.3㎡)」ですから、奥武山陸上競技場のトラック内に満員電車と同じ割合の人がいると仮定しても34467人しかならないのです。

 

2:「参加者が着席していた上、上空からは芝生が見えていた」という現実

 満員電車並に参加者が陸上トラック内部に立っていたとしても、35000人にしかなりません。

 実際の参加者は(トラック内部の)芝生に着席しており、上空からの空撮映像にはスペースに余裕があることが一目瞭然です。また、客席に当たる芝生席は多くて3割ほどが使用されているため、とても7万人が参加したとは言えません。

 しかも、トラック上にまで参加者が溢れた2016年の県民大会では「トラック内にいた参加者は約3800人だった」産経新聞が試算しているのです。

 したがって、芝生席の参加と合わせても、2018年に行われた沖縄県民大会への参加者の実数は最大でも1万人前後になります。これを主催者が「7万人」と発表したとの理由で裏付けを取らずに利用する NHK の姿勢は厳しい批判にさらされるべきものでしょう。

 

 このようなフェイクニュースこそ、“国民の敵” なのです。その自覚がない報道機関は大きな問題ですし、「誤った情報を流している」との指摘を受けた際は速やかに訂正報道を行い、風評の払拭に取り組むことが責務と言えるのではないでしょうか。