愛媛・今治市の獣医学部新設に反対した石破茂議員が自民党総裁選で「地方や中小企業の支援」を訴えても説得力に欠ける

 9月7日に告示される自民党総裁選は安倍首相と石破元幹事長の一騎打ちとなる構図が固まりました。

 挑戦者の立場にいる石破議員が『日本創生会議』を設けることで「地方や中小企業の支援」を確立する意欲を示したと NHK が報じていますが、これは説得力に欠けるでしょう。なぜなら、“地方での新事業を潰す側” として石破議員は動いていたからです。

 

 自民党総裁選挙への立候補を表明している石破元幹事長は東京都内で講演し、経済政策の司令塔となる「日本創生会議」を新たに設け、地方や中小企業の支援体制を確立するなどとする、みずからの政権構想の実現に強い意欲を示しました。

 問題の着眼点はどの政党・政治家もほとんど同じです。ある種の人気商売である政治家は有権者の多くが “問題” と感じているテーマに敏感であり、現状の問題を認識する能力は似通っていると言えるからです。

 違いが出るのは「問題に対する解決策(= 政策)」でしょう。これは政治家個人・政党による価値観の違いが現れるためです。

 

「東京一極集中」や「一部の企業による市場支配」を主張する政党・政治家はいない

 どの政党や政治家も「東京一極集中」や「一部の企業による市場支配」を政策に掲げることはないでしょう。選挙による審判がある民主主義国家であれば、尚更です。

 そのため、「地方の活性化」や「市場規制」という形で『独占』が起きることに歯止めをかけようとしています。

 日本の場合は東京が政治・経済の中心地であることは否定できません。その結果、地方に住む人が「より働きやすい環境」がある東京へと移動してしまい、地方経済が落ち込む大きな要因になっているのです。

 『人の移動』を制約することはできないだけに、『 “東京での生活” に対抗できるだけの魅力』を各地方にどれだけ根付かせることができるかが問われていると言えるでしょう。

 

今治市の「獣医学部新設」を潰すために奔走した石破議員に『地方創生』を期待できるのか

 ところが、石破議員は『地方創生』のために汗をかいてくれると期待できる政治家とは言えません。

 その理由は今治市が加計学園と組んで設立に動いていた「獣医学部の新設」を妨害するために奔走してきたからです。石破議員は「 “歪められてきた文科省行政” が是正されたこと」に異を唱えたのです。

 しかも、石破4要件を定義するなど設置反対のために尽力しました。

 地方創生を担当する大臣職にありながら、平気で「地方に産業を根付かせるためのプロジェクト」を潰す行為をしていたのですから、口先だけである可能性が高いと見ておくべきでしょう。

 

 今治市や加計学園は不適切な手法で国家戦略特区に認定されたのではなりません。手順に従ったにもかかわらず、言いがかりを付けられた被害者なのです。

 妨害する側の一員として動いた石破議員が『地方』のために汗をかくと見なす地方自治体は(石破議員の選挙区がある)山陰地方だけになるでしょう。石破議員が「地方創生」を口にしても、説得力に欠けると言えるのではないでしょうか。