3月にプレミア・マダントリーを制した大坂なおみが同年の全米オープンも制する

 3月に行われた BNP パリバ・オープンを制した大坂なおみ選手が最高峰の大会である全米オープンを制したと NHK が報じています。

 日本の選手として初の快挙ですし、“伸びシロ” が残されていることが魅力的なアスリートと言えるでしょう。『生涯グランドスラム』が狙えるポテンシャルがあるだけに今後が楽しみな選手と言えるはずです。

 

 テニスの四大大会最終戦、全米オープンは8日、女子シングルスの決勝が行われ、大坂なおみ選手がアメリカのセリーナ・ウィリアムズ選手にセットカウント2対0で勝って優勝を果たしました。四大大会のシングルスで日本選手が優勝するのは、男女を通じて初めてです。

 決勝の対戦相手セリーナ・ウィリアムズ選手が醜態を晒したため、大坂選手の初優勝に水が差されたと言えるでしょう。

 せっかくの “晴れ舞台” が台無しにされたのですが、「運に恵まれた優勝」ではありません。これから複数回の優勝が現実的に狙えるポテンシャルを秘めた選手ですので、今回の件を “笑い話” にするようなパフォーマンスを期待したいところです。

 

セリーナの “天敵” となれるポテンシャルが最大の魅力

 大坂なおみ選手が持つ最大の魅力は「絶対女王セリーナ・ウィリアムズの天敵」になる能力を秘めていることでしょう。

 セリーナ選手は女子テニスに “パワー・テニス” を持ち込み、圧倒的な成績を残しています。ところが、「パワーで相手を圧倒する」という試合の流れを掴むための得意パターンが大坂選手には通用しないのです。

 パワー偏重気味だったこともあり、大坂選手はパワー勝負を苦にしません。2戦2勝(マイアミ・オープン1回戦、全米オープン決勝)と苦手意識すらない状態である上、“伸びシロ” が残されている点はさらなる上のレベルを期待させてくれる選手です。

 セリーナ選手以外と対戦する場合は “セリーナのプレースタイル” をベースにした戦い方をすることで勝率を上げることができるでしょう。時代を築くことができる可能性を実際に持っていることは高く評価されるべきと言えるでしょう。

 

「サービスゲームのキープ」を徹底できることが大きな強み

 大坂なおみ選手が強みは「サービスゲームをキープできること」でしょう。

 男子は「強烈なサーブを打てること」が大前提であり、ブレイクをすることは困難を極めます。一方、女子は「サーブの威力が弱く、リターンできる可能性が高い」ため、ラリー戦に持ち込みやすいという特徴があります。

 多くの女子選手が「ラリー戦に持ち込み、ポイントを獲得する」というスタイルですが、セリーナ選手クラスのパワーがあれば、この前提条件を根底から破壊することが可能です。(だから、4大大会で23度の優勝回数を誇る)

 大坂選手は「強烈なサーブを武器に、サービスゲームをキープすることできる」という男子の “ビッグ・サーバー” のような試合運びができるのです。この強みを活かせる形に進化するのかが今後の注目点と言えるはずです。

 

伸びシロは「サーブで崩して、ネットプレー」

 大坂選手の伸びシロとなる点は「ネットプレー」でしょう。大坂選手はセリーナ選手と同じベースライン・プレーヤーで、ネットプレーはあまり使っていません。

 ただ、サーブが大坂選手の武器の1つになっていることを考えると、「ネットプレー」の精度を上げる取り組みを始めるべきです。

 なぜなら、「サーブで相手を崩し、ネットプレーで仕留める」というパターンを確立させられるからです。それにより、「自分のサービスゲームをキープしやすくなる」という恩恵を受けることになるでしょう。

 今年1年で大坂選手は大きく成長しました。来年以降も成長し続ける姿を見せてくれるのかに注目と言えるのではないでしょうか。