ルール違反が横行し、ネズミの住処となっていた築地市場が閉鎖されるのは良いことだ

 長年運用されてきた築地市場が閉鎖され、豊洲市場に中央卸売市場の機能が移転されました。

 都知事や共産党などの妨害で時間とコストを浪費する結果になりましたが、豊洲市場への移転が行われたことは良かったと言えるでしょう。なぜなら、築地市場で常態化していたルール違反や衛生問題が改善されることが期待できるからです。

 

 豊洲市場(江東区)の開場を11日に控え、市場関係者がいまだに気をもむ問題がある。混沌(こんとん)とした築地市場(中央区)で長年見過ごされてきた公共スペースを使った営業行為などのルール違反が、整然とした豊洲ではできなくなりそうなことだ。違反行為が常態化して、日常の商いの一部となっている業者もいるため、市場移転を機に襟を正したい東京都との間で摩擦が生じそうだ。

 開放型の築地市場は『現代の衛生基準』を満たしていないことは明らかです。また、時事通信が報じている「違反行為が常態化した業者の存在」も “ブランド価値” を損ねる行為と言えるでしょう。

 豊洲市場への機能移転により、こうした諸問題と決別できる理由を手にした訳ですから、悪習を断ち切ることができるかが鍵になるはずです。

 

市場規則を守る気がない業者が『衛生管理の規則』を守るとは考えづらい

 築地市場では業者が「慣例」などを理由に規則を無視する行為は黙認されて来ました。そもそも、このような対応がまず問題なのです。

 『市場の規則』すら平気で破るような業者が扱い生鮮食品が『衛生基準』を遵守している保証はないでしょう。

 「自分さえ良ければ良い」との考えが蔓延すれば、トラブルの原因になります。また、反社会勢力を呼び込む理由にもなるため、違反行為に対しては管理権限を持つ東京都が厳しく対処すべきことなのです。

 

“築地市場の悪習” を豊洲市場に持ち込む業者は場内立ち入り禁止処分を下し、都のウェブサイト上で公表すべき

 豊洲市場ででも、“築地の悪習” を継続する業者は「一定期間の場内立ち入り禁止処分」を下さなければなりません。違反行為をしても処分を受けないなら、やった者勝ちになっていまうからです。

 サッカーを参考に、一定期間の市場内への立ち入りを禁じる処分を下し、その旨を都の公式ウェブサイト上で公表すべきです。そうすることで、ルールを守らない悪質な業者の情報が消費者にも伝わります。

 “ルールを守らない業者” が扱った生鮮食品を好んで購入する消費者は少ないでしょう。なぜなら、市場のルールを守らない業者が「衛生基準を真剣に守ろうとしている」とは思えないからです。

 悪質業者の情報を消費者に提供することは『消費者保護』の観点からも重要なことです。ルールを守っていない市場業者が蔓延していたのですから、「築地ブランド」など幻想に過ぎないと言わざるを得ないでしょう。

 

ネズミの住処である上、開放型の築地市場で生鮮食品を扱い続けてきたという現実

 「築地ブランド」は豊洲市場への機能移転が予定どおりに進行していれば、ブランド価値が保たれていたことでしょう。しかし、小池百合子都知事や共産党が『移転反対キャンペーン』に同調したことで、マイナス面も世間に知れ渡る結果となりました。

  • 開放型
    → 排気ガスなど外部の影響を受ける
  • ネズミの住処となっている

 小池都知事が「安心・安全」とアピールしていた築地市場は『開放型』であり、排気ガスなど外部の影響を受けていることが明るみに出ました。また、ネズミの住処と化しており、その中で生鮮食品が取引をされ続けていた異様さも浮き彫りになりました。

 『閉鎖型』の豊洲市場を「安心できない」などと批判し続けた結果、豊洲市場の足元にも及ばない衛生基準の中で築地市場が運営されていた実態が知れ渡ったのです。それでも、「築地残留」を強く要望する業者がいたのですから、不衛生&悪習を容認していることと同じと言わざるを得ません。

 

 豊洲市場への移転は悪しき慣習を断ち切る要因となる訳ですから、築地市場時代は黙認されていた違反行為に手を染めようとする業者には厳しい処分を科す姿勢を示し続ける必要があると言えるのではないでしょうか。