NHK、「イ・スンシン(李舜臣)将軍が使った旗」という “韓国の妄想ストーリー” を疑うことなく放送する

 韓国側が『旭日旗』にケチを付けた国際観艦式で、NHK が「イ・スンシン(李舜臣)将軍が使った旗」とする韓国の妄想を事実として放送しています。これは明らかな誤報であり、訂正が必要と言わざるを得ないでしょう。

画像:NHKが報じた記事に対するファクトチェック

 

■ NHK がニュース7などで報じた内容

 NHK は10月11日のニュース7などで以下のように報じました。

画像:NHKが報じた記事の内容

 韓国は、11日行った国際観艦式で、ムン・ジェイン(文在寅)大統領が演説をした駆逐艦に豊臣秀吉の朝鮮侵略と戦った将軍を象徴する旗を掲げました。今回の観艦式には、海上自衛隊も艦船を派遣する予定でしたが、韓国が「旭日旗」と呼ばれる旗を掲げるのは認められないと伝えてきたため、派遣を見送った経緯があります。

 この「豊臣秀吉の朝鮮侵略と戦った将軍(イ・スンシン、李舜臣)を象徴する旗」という部分が決定的な間違いなのです。歴史が修正された瞬間であり、ジャーナリズムを持ち合わせているなら、誤りを指摘することがメディアの責務と言えるでしょう。

 

■ 事実

1:国際観艦式で掲揚されていたのは『帥字旗』

 国際観艦式で韓国が掲揚していたのは『帥字旗』と呼ばれるものです。『帥字旗』は1871年に朝鮮国軍がアメリカの測量船を奇襲したことで起きた「辛未洋擾(シンミヤンヨ)」で、朝鮮軍を率いたオ・ジェヨン(魚在淵)将軍の旗です。

画像:辛未洋擾(シンミヤンヨ)の戦利品である『帥字旗』を見せるアメリカ軍

 また、『帥字旗』は朝鮮軍が戦いに敗れたことで戦利品としてアメリカに没収されていた経緯があることも紹介されています。この旗を持っていれば、「相手の大将(= オ・ジェヨン将軍)を討ち破った」ことを意味するのですから、本国に持ち帰ることは当然と言えるでしょう。

 

2:イ・スンシン(李舜臣)が『帥字旗』を掲げていたという歴史は存在しない

 イ・スンシン(李舜臣)が『帥字旗』を掲げていた歴史があるなら、韓国の主張は正しいと言えるでしょう。しかし、そのような歴史的資料は見当たらないのです。

 『帥字旗』は文禄・慶長の役で朝鮮に援軍として加わった「明」の影響による旗です。

 イ・スンシン(李舜臣)は慶長の役で戦死していますし、KBS などの韓国メディアは『三道水軍統制使の帥字旗』と誤解を生む表現をしています。(イ・スンシンは三道水軍統制使の初代)

 自国の大将が援軍に訪れた国の影響を受けた “大将旗” を掲げることはまずないでしょう。なぜなら、「援軍国の傘下に入った」と宣言することと同義だからです。

 また、『帥字旗』がイ・スンシン(李舜臣)個人を示す旗であるなら、『師』の文字をシンボルにした “様々な活動” が行われているはずです。そうした動きはこれまで一切なかった訳ですから、ここから韓国による歴史の捏造が本格化するか、NHK の誤報が明らかになるかのどちらかだと言えるでしょう。