日テレと朝日新聞、立憲民主党・近藤昭一副代表の政治資金規正法違反問題を矮小化して報じる

 立憲民主党の近藤昭一副代表に政治資金規正法違反が発覚しました。

 これに対し、日本テレビと朝日新聞が忖度した報道を行っていますが、与党・自民党の議員が同様の問題を起こした際の報道とは大きく異なります。現状では既存メディアに公平・中立な報道を期待することは難しいと言わざるを得ないでしょう。

 

「立憲民主党の副代表」という『肩書き』を隠蔽した日テレ

 日本テレビが報じたニュースで異様なのは「所属政党」に触れていないことでしょう。

画像:近藤議員の所属政党を隠して報じる日本テレビ

 衆議院、愛知3区の近藤昭一議員が代表を務める政治団体が、集会やイベントの収入を政治資金収支報告書に記載していなかったことがわかった。

 (中略)

 近藤議員によると、2014年と2015年に開催したビアパーティーやいちご狩りのイベントについて、会費を集めていながらも、近藤議員の資金管理団体や政党支部の収支報告書に記載をしていなかったという。

 政治家に関するニュースでは「所属政党名」が報じられます。無所属の場合は「無所属の〇〇議員」との説明があるため、選出された選挙区だけを紹介することは明らかに異様と言えるでしょう。

 「現在の肩書きが “立憲民主党の副代表” という政治家が政治資金規正法違反を犯していた」と正確に伝えることに何か問題でもあるのでしょうか。与党系の議員では事細かに伝えることが当然となっているのですから、同じ基準で報じなければならないはずです。

 

朝日新聞は「自民党の議員が起こした問題」を報じる時と比較すると雲泥の差

 朝日新聞は日本テレビとは異なり、近藤昭一議員の所属政党には言及しています。しかし、自民党の所属議員が同じ問題を起こした時の報じ方と全く異なっていることが問題です。

 

1:工藤彰三・国交省政務官の場合

 朝日新聞は10月15日付で工藤彰三・国交省政務官(自民・愛知4区)の件に対し、以下のように報じています。

画像:工藤政務官の資金問題を報じる朝日新聞

 工藤議員も近藤議員と同じ “催し物” で得た収入が政治資金収支報告書に記載されていなかったことが問題として報じられました。

 この件に対し、朝日新聞は「まったく書かれてないことは異例」と批判。その上で、識者に「法の趣旨からして最悪のケース」と語らせたのです。

 

2:工藤・国交省政務官と同じ問題を起こした立憲民主党・近藤副代表の場合

 ところが、朝日新聞が工藤・国交省政務官の問題を報じてから1週間も経たない内に立憲民主党・近藤副代表に同じ問題が発覚しました。それを伝える朝日新聞の記事は以下のとおりです。

画像:近藤・立憲民主党副代表の資金問題を報じる朝日新聞

 工藤議員と同じ問題が発覚した立憲民主党・近藤副代表に対し、朝日新聞は「全く書かれないことは異例」との批判をしていないのです。また、識者は「法の趣旨からして最悪のケース」との見解を述べてもいません

 これは明らかにダブルスタンダードと言わざるを得ないでしょう。与野党に関係なく、『政治と金の問題』は同じ基準で批判しなければならないものだからです。

 

 メディアが「弊社は当該政策を支持する」と公言していれば、政策の実現に向けた後押しをすることは問題ありません。ただし、事実に基づく記事を配信するなどの条件は付きます。

 しかし、『政治家が起こした問題』に対する報道内容を与野党で違いを付けることは論外です。政策とは関係のない部分で「野党議員に対する “目こぼし”」が積極的に行われているのですから、これは肩入れに過ぎません。

 野党に肩入れするメディアが発する情報のみを鵜呑みにすれば、野党の支持者が増えるのは自然なことです。特定の政治思想を持ったメディアに軽減税率を適用する必要はないと言えるのではないでしょうか。