U-23 でのプレーを余儀なくされた香川真司のドルトムントでの立ち位置は「かなり厳しい」と考えられる

 ドルトムントの香川真司選手の立場がかなり厳しくなっている模様です。

 トップチームがチャンピオンズリーグでスペイン遠征をする中、U-23 でプレーをしており、goal.com では「2軍送り」と表現されています。序列はかなり厳しくなっていると言わざるを得ないでしょう。

 

トップチームの選手が “ユースチーム” でプレーすることは基本的にあり得ない

 まず、香川選手のようにトップチーム登録されている選手がユースチームでプレーすることは基本的にありません。以下のいずれかに該当する場合のみでしょう。

  1. 数ヶ月以上の長期離脱からの調整
  2. 出場機会が必要なトップチームに登録されている若手選手
  3. トップチームで “お払い箱” となった選手

 チームは「出場時間を与えるため」と説明していますが、これは「表向きの理由」でしょう。ゲッツェ選手も怪我で香川選手と同様の期間を離脱していましたが、U-23 で調整することはありません

 それだけ、香川選手への処遇が “異様” なのです。ちなみに、香川選手と共に U-23 でプレーしたローデ選手は昨シーズンをほぼ全休していたため、Aに該当します。イサーク選手は19歳になったばかりでBの条件に当てはまります。

 1ヶ月程度の離脱で U-23 でのプレーを強いられる状況は「あり得ない」と言わざるを得ないでしょう。

 

トップ下のポジションは生まれたが、肝心の序列が3番手

 次に現在の立ち位置ですが、「トップ下の3番手」と厳しい状況です。

 ドルトムントのファブレ監督がフォーメーションを 4-2-3-1 (= 4-4-2) に変更したことで、香川選手が最も得意とする『トップ下』のポジションが生まれました。ただ、出場時間があまり期待できない3番手というところが難点と言えるでしょう。

  • センターフォワード
    1. パコ・アルカセル
    2. フィリップ、ゲッツェ
  • トップ下
    1. ロイス
    2. ゲッツェ
    3. 香川真司

 『トップ下』はチームで主将を務めるロイス選手が君臨しており、ゲッツェ選手が結果を残したことで2番手に位置づけています。ドイツでは「主将は常に出場すべき」との価値観が一般的ですので、香川選手の出場機会は極めて限定的と言わざるを得ないでしょう。

 ゲッツェ選手は『トップ下』と『センターフォワード』の2番手となっていますが、その立場は今季のパフォーマンスで手に入れたものです。香川選手との序列が入れ替わる見込みは現時点では少ないと言えるでしょう。

 

“序列の高い選手” が負傷離脱しない限り、香川選手は干され続ける可能性が大

 現実的には「香川選手はロイス選手かゲッツェ選手が負傷離脱しない限り、プレー時間を得られることは難しい」と考えられます。

 所属するドルトムントがチャンピオンズリーグを戦っているため、ターンオーバーは実施されるでしょう。ただ、ブンデスリーガは18チームで争われており、20チーム制のリーグ(イングランドやスペイン)と比較すると過密ではありません。

 これは「少ない選手でやりくりが可能」ということを意味しており、「控え選手に出場機会はそれほど回ってこない」ということと同義です。

 したがって、香川選手がドルトムントのトップチームで『トップ下』として起用されるチャンスが与えられる可能性は低く、実質的に “干された状態” と変わらないと言えるでしょう。ゲッツェ選手が与えられたチャンスで「ゴール」や「アシスト」という結果を出しているだけに香川選手の立場は厳しいと思われます。

 チームが好調な状況で、選手を取り巻く環境が激変する「監督解任」はまず起きないでしょう。序列の高い選手が負傷離脱しない限り、プレー機会を得ることは困難と考えられるだけに「移籍を真剣に検討する時期に来ている」と言えるのではないでしょうか。