朝日新聞の部数減少が2017年より深刻化 前年同期比 5% 超の減少に加え、月別の減少ペースは昨年を上回る

 大手新聞社はなりふり構わず「軽減税率の適用」を要求しています。その最大の理由は「販売部数が減少し続けていること」と言えるでしょう。

 業界全体が “衰退産業” と化しているのですが、その中でも朝日新聞の落ち込みが際立つ形となっています。部数減少のペースが最も大きいということは「読者が朝日新聞の編集方針を支持していない」ということです。

 新聞社という既存のビジネスモデルが業界再編に迫られているのです。

 

2018年10月の月別販売部数で576万部にまで落ち込んだ朝日新聞

 クオリティーペーパーを自称する朝日新聞の部数減少は深刻です。なぜなら、最新の販売部数(2018年10月)が576万部にまで落ち込んでいるからです。

画像:朝日新聞の月別販売部数

 2017年8月から10月までの3ヶ月での平均販売部数は613万部だったのですが、1年後の同時期には579万部にまで落ち込みを見せているのです。

 前年同期比で -5.62% となる約34万部も減らしたのですから、「事態はかなり深刻』と言わざるを得ないでしょう。

 

“読売新聞の落ち込みペース” を大きく下回っていることが問題

 新聞業界は全体が部数減少に悩んでいるため、前年同期比でマイナスを計上することは問題ではありません。しかし、落ち込みペースが業界最悪であることは問題視しなければならないのです。

 朝日新聞と同じ大手新聞社である読売新聞も2017年8月から10月の3ヶ月における平均販売部数は873万部でしたが、1年後の2018年には834万部と約39万部の落ち込みを記録しています。

 ただ、販売部数が朝日新聞よりも多いため、読売新聞は前年同期比 -4.46% で済んでいるのです。朝日新聞と比較すると、1% も減少率で開きがあるため、この点は深刻に捉える必要があるでしょう。

 

『野党の機関紙』と化したメディアが凋落するのは当然のこと

 朝日新聞の部数減少が深刻なのは「野党の機関紙と化している部分が大きい」と言わざるを得ません。その結果、読者離れが起きることになるです。

 野党は「安倍政権との対決姿勢」を鮮明にし、朝日新聞などのメディアはそれを紙面で応援しています。ただ、“有権者がそれをどう見ているのか” という視点が欠けていることが致命的です。

画像:2018年11月のNHK世論調査で示された結果

 安倍政権が支持されている最大の理由は「他より良さそう」であると NHK の世論調査で示されているのです。

 つまり、「今の野党は支持できない」と有権者は述べているのです。野党は「有権者に信頼される行動をすること」が求められているのですが、マスコミは “野党の問題行動” を批判するどころか、隠蔽・矮小に力を入れる有様です。

 そうした方針を支持するのは世論調査で野党支持を積極的に表明する有権者の 10% ほどでしょう。

 与党支持者や自民党以外の選択肢を求める最大多数派の無党派層に響くことはありません。その結果、野党の機関紙と化した新聞を有料購読するだけの価値が見出せなくなり、解約が進行することになるのです。

 

 新聞は速報性でインターネットに勝つことはできません。「要人に取材できる立場」や「取材費を捻出できる資金力」を活かした『正確性』で勝負すべきなのですが、それをやらなくなっていることが低迷の発端と言えるでしょう。

 ネット小売大手のアマゾンも「amazon echo (アマゾン・エコー)で新聞の代用はできることを CM でアピール」するなど、攻め込んで来ているのです。

 新聞業界の苦境は先進国ではまだまだ続くと認識する必要がありますし、ビジネスモデルを転換できなければ倒産もあり得ることと言えるのではないでしょうか。