富川悠太氏、報道ステーションで「空母が尖閣諸島近辺で待機するのは中国を刺激することになるのでは?」と中国の主張を代弁

 12月5日に放送された報道ステーション(テレビ朝日系列)で番組キャスターを務める富川悠太氏が「尖閣諸島近辺に空母が待機する状況は中国を刺激することになるのでは?」との発言をし、物議を醸しています。

画像:「中国を刺激するのでは」と心配する富川キャスター

 「中国による領海侵犯」で日本が刺激されているという状況を批判できていないのですから、テレビや新聞という既存メディアの価値が低下するのは当然のことだと言えるでしょう。

 

富川悠太氏の発言内容

 12月5日(水)に放送された報道ステーション(テレビ朝日系列)の中で、「護衛艦『いずも』の改修」をニュースとして取り上げられた際、キャスターの富川悠太氏は次のような発言を行いました。

  • 昨日(= 12月4日)に中国海警局の船4隻が尖閣諸島の近くを航行していた
  • 従来の対応だと、那覇から尖閣諸島までは20分を所要する
  • 空母化した『いずも』を尖閣諸島の近くに置けば、20分と言わず、すぐに対応できる
  • 尖閣諸島の近くに空母がずっと待機するのは中国を刺激することになるのはないか?

 そもそも、尖閣諸島は日本固有の領土であり、解決しなければならない領有権問題など存在しないのです。この事実を無視し、領海侵犯を行う中国を刺激するなどと懸念すること事態が論外と言わざるを得ないでしょう。

 

“テレ朝の正面玄関にいる警備員” は何のためにいるのかを考えるべきだ

 多くの視聴者に直接訴えかけることが可能なテレビで “あまりに間抜けな主張” を展開することは逆効果です。今回の富川氏の発言もこれに該当するでしょう。

 まず、空母化した『いずも』を尖閣諸島の近辺に展開させるという話が出ているのは「中国が海警局の船舶を使って尖閣諸島近辺で日本を刺激しているから」です。

 中国が日本固有の領土・領海を侵犯しているのですから、日本側は守る意志があることを表明しなければなりません。もし、これをしないのであれば、相手に領土を奪われることになるからです。

 領海を守るために空母を重要海域に展開することは当たり前のことであり、その選択肢は持っておく必要があります。しかし、富川氏は「相手を刺激する」と結果的に中国を利する言動を行っています。

 本気でそのように考えているなら、「不審者対策」の名目でテレビ朝日の正面玄関に配置されている警備員を排除すべきでしょう。

 富川氏のロジックが正しいなら、警備員の仕事を取り上げた方が不審者を刺激することがないため、テレビ朝日内部の安全性が飛躍的に向上するはずだからです。

 

「バカげた主張」を一方的に流し続ける既存メディアは凋落し続ける

 テレビや新聞などの既存メディアから利用者が離れていく理由は「バカげた主張を一方的に流すから」です。

 『情報』を扱う事業者であるにも関わらず、その情報に正確性や根拠が欠けている場合があるのです。しかも、間違いを滅多に認めないのですから、自浄作用が働くことも期待できません。

 その結果、玉石混交ではあるものの、自浄作用が機能するネット上に利用者が流れる事態を招いてしまうのです。

 テレビ局や新聞社は公式ウェブサイトを運営して情報発信をしていますが、ニュースなどの公開は期間限定です。固定リンクが使われていなかったり、読者からの指摘を受け付けるコメント欄が存在しないなど、情報が一方通行のままとなっています。

 双方向が当たり前となったネット時代に “前時代” の手法を全面的に展開するビジネスをするのですから、ネットを上手く使いこなせない老人世代を相手にした斜陽産業に陥ることは避けられません。その結果、凋落に歯止めをかけることができなくなっているのです。

 

 朝日新聞は『クオリティー・ペーパー』を自称していますが、傘下に持つテレビ局の番組でキャスターが「私達はバカです」と宣伝するような “失言” は自陣営にとってボディーブローのようにダメージが残ることをもう少し真剣に考える必要があるでしょう。

 キャスター自身の個人的見解であれ、番組制作スタッフが言わせた見解であれ、「バカな発言に対するチェック機能が働かない番組」と視聴者に見られてしまうのです。中国政府寄りの番組を制作し、放映するテレビ局があるにも関わらず、それを是正させる気もない BPO も同罪と言えるのではないでしょうか。