韓国海軍が日本の排他的経済水域内で自衛隊機に『射撃管制用レーダー』を照射したのだから、報復を自重すべきでないことは明らかだ

 海上自衛隊の P1 哨戒機が能登半島沖の日本の排他的経済水域(= EEZ)内で韓国海軍の駆逐艦から射撃管制用レーダーの照射を受ける事件が発生したと NHK が報じています。

 日本に対する明らかな威嚇行為である上、現場は日本の EEZ 内なのです。到底容認できるものではないだけに、韓国側から「誠意ある謝罪」がないのであれば、「報復に踏み切らざるを得ない状況」と言わざるを得ないでしょう。

 

 防衛省によりますと20日午後3時ごろ、石川県の能登半島沖の日本海で、海上自衛隊のP1哨戒機が韓国海軍の駆逐艦から射撃管制用レーダーの照射を受けました。

 韓国海軍の駆逐艦の射撃管制用レーダーが作動しているのを海上自衛隊の哨戒機の乗員が目視し、その後、レーダーの照射を受けたことが哨戒機の計器に表示されたということです。

 現場は、日本の排他的経済水域の上空で、当時、哨戒機は通常の警戒監視の任務にあたり、駆逐艦の周囲では韓国海洋警察庁の警備救難艦も航行していたということです。

 射撃管制用レーダーはミサイルなどを発射する際に目標に照準を合わせて追尾するために使われるもので、今回、哨戒機はレーダー照射を受けて回避する行動をとったということです。また、回避したあと、哨戒機から駆逐艦に対し、「どういう意図なのか」と問い合わせましたが、応答はなかったということです。

 

現場の「能登半島沖にある日本の排他的経済水域内」では『韓国の巡視船』が『日本の漁船』を追い払おうとした事件も起きている

 まず、思い出すべきは1ヶ月前に「能登半島沖にある日本の排他的経済水域内」で起きたトラブルでしょう。

 大和堆と呼ばれる日本海の好漁場で操業していた『日本の漁船』が『韓国の巡視船』から「現場海域での操業停止と移動」を要求された上、『韓国の巡視船』が接近して現場海域からの追放を試みるという事件が発生していました。

 この時は近くにいた海上保安庁の巡視船が間に割って入ったことで、接近は阻止されましたが、日本側の対応は抗議をするに留まっています。

 今回の照射事件も現場は「能登半島沖にある日本の排他的経済水域内」です。しかも、「攻撃の意志」を示す射撃管制用レーダーを韓国海軍が自衛隊機に照射したのですから、決して容認できることではないと言わざるを得ないでしょう。

 

韓国側の「北朝鮮の遭難船を捜索するため」との弁解には無理がある

 韓国側は「遭難した北朝鮮の船舶を捜索するためにレーダーを利用したところ、自衛隊機がレーダー内に入った」と弁解しています。しかし、この主張には無理があります。

 なぜなら、遭難船を探すために使うのは『水上捜索レーダー』であり、射撃管制用の『火器管制レーダー』ではないからです。広範囲を捜索することに適さない『射撃管制用レーダー』を利用して北朝鮮の遭難船を捜索するような間抜けなことが常態化しているとは考えにくいことでしょう。

 また、仮に『射撃管制用レーダー』を使って遭難船を捜索することが韓国海軍で一般的となっているのであれば、自衛隊側からの問い合わせに返答できたはずです。

 しかし、自衛隊の哨戒機からの「(『射撃管制用レーダー』の照射は)どういう意図なのか」との問い合わせに韓国海軍は応答しませんでした。本当に「遭難船の捜索」を行っていたのであれば、現場で説明することはできたはずです。

 それができなかったのですから、韓国は「信用するに値しない国」として扱う必要があると言えるでしょう。

 

日本の EEZ 内で自衛隊に『射撃管制用レーダー』を照射する韓国は “中国よりも危険な国”

 『射撃管制用レーダー』が自衛隊に照射されるのは今回が初めてではありません。2013年に中国海軍の艦船が自衛隊の護衛艦に向けて照射していますが、この時の現場は公海上でした。

 一方、今回の韓国海軍は “日本の排他的経済水域内” で照射を行ったのです。それだけでも、仮想敵国と扱うに十分すぎることと言えるでしょう。

 また、韓国海軍がレーダー照射に至った理由を明確にさせておくことは日本の国防上においても重要です。なぜなら、動機にとって日本側が採るべき対応が変わってくるからです。

  1. 韓国政府の指示があった
    → 「友好国」ではなく、明らかな「仮想敵国」
  2. 現場の独断
    → 韓国政府によるシビリアン・コントロールが機能不全

 「攻撃の意志あり」と見なされる『射撃管制用レーダー』を照射した時点で、「遭難船の捜索」という弁解は通用しないのです。パラボナ・アンテナを使った捜索など、あまりに粗末すぎる言い訳にすぎないでしょう。

 現状の韓国は「仮想敵国」か「文民統制が効いていない軍部」のどちらかなのです。どちらにせよ、中国よりも暴発の危険性がある国と化しており、友好国とは到底言えないという実情を認識する必要があると言えるでしょう。

 

「今回は大目に見よう、次にやったら承知しない」との姿勢は事態の悪化を招くだけ

 詭弁を繰り返す韓国に対し、「今回は大目に見ましょう」という姿勢は事態の悪化を招くだけです。なぜなら、「詭弁が通用する」というメッセージを韓国側に送ることと同じだからです。

 韓国側にどれだけ落ち度があっても、詭弁がまかり通る。しかも、相手側からは「外交上の苦言」が口頭で発せられるだけで、制裁を受けない。これでは韓国が横暴になるのは当然です。

 「日本に対して何をやっても、自分たちは不利益を被らない」という “実績” を手にしているのです。また、仮に強奪したとしても、日本から報復を受ける可能性はゼロです。そのため、日本の EEZ 内であっても、「自衛隊は失せろ」との “メッセージ” を平然と送り付ける結果を招いてしまうのです。

 「他国の EEZ 内に入った軍艦が当該国軍の航空機に『射撃管制用レーダー』を照射しても報復を受けない」のであれば、同様の挑発行為は今後も起きるでしょう。そして、“次” に起きるのは「哨戒機が消息を絶つ」などの深刻な事態になることは明らかです。

 

 制裁も報復もしない弱腰では『武力を背景にした圧力』に屈することと同じです。現に韓国は “日本の排他的経済水域内にある好漁場” から巡視船や軍艦を使って追い出そうとしているのです。

 「何もしない」という選択肢は使い物にならなくなったという現実を直視し、韓国への報復に踏み切らざるを得ない状況だと言えるのではないでしょうか。