「同性愛者に対する差別犯罪を受けた」と通報したアメリカ人俳優、自作自演の虚偽通報容疑で逮捕される

 同性愛者であることを公表したアメリカ人俳優が「差別的な発言をされ、暴行を受けた」と警察に通報した件で、自作自演だったとの理由で警察がこの俳優を虚偽通報の容疑で逮捕したと NHK が伝えています。

 『差別の被害者』という立場が “オイシイ” ことは以前にも同様の事件が起きているから明らかと言えるでしょう。「被害を訴える者」が現れたなら、正確な事実確認を行うという大原則を踏まえた上で対応に当たる必要があると言えるはずです。

 

 逮捕されたのは、アメリカの人気ドラマ「Empire」に出演している黒人の俳優で、同性愛者であることを公表しているジャシー・スモレット容疑者です。

 スモレット容疑者は、先月29日、シカゴ中心部の通りで、2人組の男に差別的なことばを叫ばれて暴行を受けたと、警察に通報していました。

 警察は、当初、差別意識や偏見にもとづく憎悪による犯罪=「ヘイトクライム」の疑いがあるとみて捜査していましたが、その後の調べで、2人組の男と面識があり、事前に小切手を渡して暴行するよう依頼していた疑いがあることがわかったということです。

 このため、警察は、この俳優による自作自演だったとして、21日、うその通報をした疑いで逮捕しました。

 

『差別問題の被害者』は他者との “差別化” を図る上で「理想的なカード」

 『被害者ポジション』が “オイシイ” のは「被害」をネタにビジネスに転じることができるからです。講演会に呼ばれますし、政治的な発言力は飛躍的に増加します。しかも、自らが風化を望まない限り、『被害者』というカードが持つ効果は損なわれないという特性もあるのです。

 それを手に入れて利用したいと考える者が出てくるのは当然のことでしょう。

 今回、自作自演の容疑で逮捕された俳優は『黒人』というカードに加え、本人が同性愛者をカミングアウトしていますので『LGBT』という『マイノリティーのカード』を2枚持っている状態です。

 ところが、本人が期待したような効果を『弱者のカード』がもたらしてくれなかったのでしょう。だから、新たに『差別問題の被害者』をいうカードを手に入れようとして今回の問題が起きたのだと考えられます。

 俳優業は人気商売ですから、「知名度」や「同情票」は大きな武器になります。そのための “差別化” を図るという動機はあったと言えるでしょう。

 

アメリカ軍の士官学校でも、『差別問題の被害者』になろうとした自作自演事件が起きている

 同様の自作自演事件はアメリカ空軍の士官学校でも発生しています。

 2017年9月にアメリカ空軍の士官学校の寮で黒人を侮辱する落書きが発見されました。その際、「差別をするヤツは空軍にはいらない」とする学校長の演説映像が拡散されましたが、事件は標的と見られていた士官候補生の自作自演だったことが判明しています。

 被害者という立場を得ることで『特別待遇』が得られるのですから、「現状の実力では自分の期待した結果を残せない」と自らの立場を認識している者ほど “誘惑” に敗ける確率が高くなります。

 幹部候補試験で「自分の実力では希望部署への配属は難しい」と自覚したマイノリティーほど、「差別と訴えれば、希望は叶うぞ」という “悪魔のささやき” に耳を傾けてしまうでしょう。それが様々なところで発生しているだけなのです。

 

「保険金詐欺」と同様に、一定の確率で「自作自演の差別問題での被害者」は発生する

 現在は「差別被害を訴える人を疑うこと自体が差別」という詭弁がまかり通っているのです。そのような主張をマスコミが一刀両断にしないのですから、“被害者ビジネス” は今度も継続していくことになるでしょう。

 差別被害を訴える人の多くは「事実に基づく被害」を訴えているはずです。しかし、保険金詐欺と同じで必ず「虚偽の被害申告」で利益を得ようとしている輩が紛れ込んでいることに留意しなければなりません

 そのような不届きな人物・団体まで「反差別」を理由に野放しにしてしまうと世間に反感が広がり、“本当に救いの手を求めている人々” が見殺しにされてしまう恐れがあるのです。

 自作自演で被害者ポジションを得ようとする人物は活動そのものを阻害する要因です。こうした人物は「活動内容」に共感しているではなく、「金になる」という理由で参加しているに過ぎないのです。差別問題で稼げなくなると他の問題に何食わぬ顔で参加していることでしょう。

 「差別問題に真剣に向き合っている」という主張する団体は自作自演で活動内容の評価を陥れる行為に対する批判を行っていることが今後に向けて重要と言えるのではないでしょうか。