立憲民主党・枝野代表が「集中審議に応じない与党は登校拒否、二度と野党に審議拒否と言うな」と発言、失言問題での攻め手を失う

 立憲民主党の枝野幸男代表が『ラジオ日本』の番組で「与党は堂々と審議拒否をしている。登校拒否みたいな話」と批判し、「二度と野党に審議拒否とは言って欲しくない」と述べたことを謝罪・訂正したと NHK が報じています。

 「登校拒否」に該当する行為は「登院拒否」です。野党が求めているのは “失言問題に対する集中審議” であり、与党が応じる必要はないと言えるでしょう。

 昨年の「ゴールデンウィーク18連休」を超える連休モードに突入している野党らしさが全面に現れた発言として、枝野代表の発言は厳しい批判にさらされなければなりません。

 

 立憲民主党の枝野代表は17日、民放のラジオ番組で、野党側が求めている集中審議の開催に応じない与党側の姿勢について「参議院規則で、『委員の3分の1以上の要求があれば、委員会を開かなければならない』という義務規定があるが、『開いても、出席しない』と堂々と審議拒否をしており、登校拒否みたいな話だ」と述べました。

 その後、枝野氏は、みずからのツイッターに「『不登校』の背景には、本人や保護者の責に帰すことのできない様々な事情がある。『不登校』の問題全体について、ネガティブに受け取られる表現だったと思う。おわびして、訂正します」と書き込みました。

 

野党が要求する集中審議の議題は「桜田前大臣や塚田前副大臣の失言問題」

 野党が参院で要求しているのは「桜田前大臣や塚田前副大臣の失言問題に対する集中審議」です。

 すでに職を辞した政治家に対する集中審議をする意味はありません。「政府を国会で厳しく追求する野党」というマスコミ用の宣伝素材を野党が手にするぐらいでしょう。

 野党の姿勢は「発言に対する責任をとって辞職せよ」、「辞職した後でも許さない」というものです。これは世間一般に共感されるものでありませんし、その証拠に野党の支持率は低迷しています。

 集中審議は「閣僚を無意味な国会審議で拘束される」という “弊害” がある訳ですから、与党が野党側の要請に応じる確率は低いと言えるでしょう。なぜなら、失言問題に対する批判は国会でなくてもできることだからです。

 集中審議という形でやりたいのは “見栄え” と “マスコミ受け” を狙ったものと言えるでしょう。そのような姿勢が有権者から嫌われる原因であることを自覚しなければなりません。

 

「野党は審議拒否をする」との批判に「与党は登校拒否」を応戦して墓穴を掘った枝野代表

 次に、野党は「審議拒否をしている」との批判が効いているのでしょう。

 『真っ当な政治』を掲げておきながら、国会審議という本業を自らの意志で拒絶しているのです。世間で真面目に働く社会人から “目の敵” にされますし、支持者も周囲から批判の対象にされたとしても不思議ではありません。

 つまり、野党が重用してきた「審議拒否戦術」が使いにくくなっていたのです。そのため、野党からの集中審議要請に応じない与党を「登校拒否」と批判することで、「(野党の)審議拒否」を正当化させようとしたのでしょう。

 一石二鳥を狙った発言だったのですが、結果は発言者である枝野代表が墓穴を掘る結果となりました。「登校拒否」に該当する行為は「登院拒否」であり、「審議拒否」ではありません。

 授業に出席することを “自ら拒否” をして駄々をこね続ける野党ですから、「適切な言葉使いをする」という基礎能力を錆び付いているのでしょう。不真面目な対応が染み付いており、これを是正しなければ話にならないはずです。

 

「批判へのリプライ」という形で “お詫び” したことで幕引きを図る枝野代表の姑息さ

 登校拒否という言葉を使った与党批判を行った枝野代表ですが、「言葉の選択が悪い」との批判を受け、ツイッター上で撤回しています。

画像:リプライという形で発言撤回を表明した枝野代表

 ただし、(枝野氏に行為的な立場を採っていると見られる人物からの)批判への返信という形で発言内容の訂正が行われています。ツイッター上で撤回したとの情報でアクセスした人は見つけることは難しい状況ですので、真摯な対応とは言えないでしょう。

 皮肉なことに、枝野代表自らが「不適切だった」とリプライすれば、失言問題は幕引きできるとの前例を示す結果となりました。そのため、今後はメディアが騒ぐ失言問題についても同様の対処で十分と言えるでしょう。

 

 審議拒否を行っている野党はこのままゴールデンウィークに突入することが濃厚です。昨年の「ゴールデンウィーク18連休」を軽く凌駕する “新記録” を作る可能性があり、世間からの風当たりは一層強くなることでしょう。

 「真っ当な政治」と口先だけで言い続けても意味はないのです。行動で示す必要があると言えるのではないでしょうか。