2019 年のウィンブルドン選手権、大坂なおみは “前哨戦で完敗を喫した相手” に修正力を見せられるかが焦点

 テニスの四大大会ウィンブルドン選手権の組み合わせが決定したと大会を中継する NHK が報じています。

 7月1日から1回戦が始まるのですが、優勝が期待される大坂なおみ選手は前哨戦で完敗を喫した相手との対戦となりました。その時からどれだけ修正・改善することができているかが注目点と言えるでしょう。

 

 来月1日に開幕するテニスの四大大会、ウィンブルドン選手権の組み合わせが決まり、世界ランキング2位の大坂なおみ選手は、1回戦で、前哨戦で敗れたばかりのカザフスタンの選手と対戦することになりました。

 (中略)

 大坂選手は、今月20日に行われたウィンブルドン選手権の前哨戦となるツアー大会の2回戦で、プティンツェバ選手と対戦し、セットカウント0対2のストレートで敗れています。過去の対戦成績は0勝2敗で、大坂選手にとってはいきなり難しい相手との対戦となりました。

 

今年の前哨戦でプティンツェワに完敗した大坂なおみ

 大坂選手は今年6月にイギリス・バーミンガムで行われた『ネイチャーバレー・クラッシック』の2回戦でプティンツェワ選手と対戦。2-6, 3-6 でセットカウントは 0-2 の完敗を喫しました。

 「プティンツェワ選手の一方的な試合」と言える内容で大坂選手は何もできず、あの内容では試合後の記者会見をするのも止むを得ないという出来でした。

 その相手とウィンブルドン選手権1回戦で対戦することが決定したのです。両選手ともに前哨戦と同じ出来なら、大坂選手がウィンブルドンで2回戦に勝ち上がることは困難と言わざるを得ません。

 したがって、大坂選手は苦手とする天然芝のコートでどれだけ修正できているかが注目点になるでしょう。

 

クレーと芝は「滑りやすい」という特徴がある

 大坂選手が苦手とするクレー(全仏)と天然芝(全英)のサーフェスには「滑りやすい」という共通点があります。

 どちらのコートも踏ん張りが効きにくいため、身体が流されやすく、それによって大坂選手の持ち味であるパワーを伝達させにくいという “問題点” があるのです。グランドスラムを達成するにはこの課題を克服する必要があると言えるでしょう。

 フットワークを改善することでカバーできる範囲を広げたり、滑りやすいサーフェスで重心の位置を意識した打ち方を確立するなどが具体的な目標となるはずです。

 ただ、どちらも成果を得るにはある程度の時間を必要とします。そのため、天然芝で行われる試合での大坂選手のプレー内容が劇的に改善する可能性は少ないと考えられます。

 

対戦相手にも『四大大会のプレッシャー』はかかる

 クレーや芝に適応中の大坂選手がウィンブルドンで勝ち進むには「ラリーに持ち込ませない試合運び」がポイントになるでしょう。

 フットワークが向上したとは言え、大坂選手には改善の余地が残されている状況です。その中で「ラリー戦」に持ち込まれてしまうと、相手のペースになる可能性が高いのですから、これは避けるべき試合内容だと思われます。

 天然芝では球足が速くなるため、“ビッグサーバー” が優位です。この特色を大坂選手も最大限活用すべきでしょう。ラリー戦では「駆け引きに使える技術をどれだけ有しているか」が問われる傾向が強くなるため、大坂選手には不利と考えられるからです。

 四大大会のプレッシャーがかかるのは大坂選手だけではありません。対戦相手にも「優勝候補に勝てる」というプレッシャーがかかるのですから、開き直りも大事になると言えるでしょう。

 

 大坂選手自身が「苦手」と認める天然芝のサーフェスで成長に向けた手応えを掴むことができるのかが注目点と言えるのではないでしょうか。