朝日新聞、「今の若者が不祥事や問題発言を重ねる安倍政権を支持する理由を知りたい」と “上から目線” で若い世代を批判する

 朝日新聞が石川瀬里、渡辺洋介両記者の署名で『「僕が生きていけているので」若者に際立つ安倍政権支持』というタイトルの記事を掲載しています。

 野党を応援する朝日新聞からすれば、 “問題まみれの安倍政権” を若者が支持している実態は理解不能でしょう。なぜなら、偏見に凝り固まっているからです。

 今の若い世代が現政権を支持するのは当然の結果ですが、彼らは「熱狂的な自民支持層」ではありません。支持政党を鞍替えさせることは可能であり、政党戦略次第で状況を変えられることを見落とすべきではないでしょう。

 

朝日新聞が報じた記事

 朝日新聞が報じた該当の記事は以下のものです。

画像:朝日新聞の記事

 安倍内閣の支持率は、18~39歳の男性で際だって高いのが特徴だ。

 (中略)

 社会保障などで将来に回されたツケを負担する若い人々が、いまの政治を支持する理由を知りたい。そう思って街角で話を聞き続けるうちに出会ったのが、この男性だった。

 朝日新聞は「将来世代にツケを回すな」と政治に注文を付けていますが、 “ツケを回す政策” を惜しげもなく主張する野党を積極的に応援しています。

 読者は「ツケを回した張本人らが支持する野党を朝日新聞が応援している理由を知りたい」と思っていることでしょう。この点を誤魔化しているから、新聞以外にも情報源を確立させている若い世代が既存メディアを信用しなくなるのです。

 この部分を甘く見るべきではないと言えるでしょう。

 

「就労による自己資産の形成」を望む人物が『好調な雇用情勢』を維持する政権を支持するのは当然

 なぜ、安倍政権が「18〜39歳の男性からの支持」が際立っているかと言いますと、『好調な雇用情勢』を提供しているからです。

 日本は新卒社会ですから、高校卒業時(= 18歳)や大学・大学院卒業時(= 22〜25歳前後)での経済情勢によって生涯賃金に大きな影響が生じます。以前よりは転職市場が存在感を増しているものの、“新卒時に就職する会社” が極めて重要であることに変わりありません。

  • 民主党時代:新卒採用の抑制、経済は不景気
  • (第二次)安倍政権:新卒採用は売り手市場、経済は良好

 新社会人で多額の自己資産を持つ人は例外です。ほとんどは「就労することで自己資産を形成する必要がある人」なのですから、自分たちの稼ぎを最大化にしてくれる政党(= 現時点では自民党)を支持するのは当然のことと言えるでしょう。

 

野党を支持するのは「勤労の必要がない高齢者」と「それに共感する人々」

 一方の野党は「弱者への支援強化」を主張し、「さらなる社会保障の充実」を訴えています。

 朝日新聞も認めるように、若い世代は「社会保障などでツケを回されている立場」です。そのため、実際に勤労する立場にある人の多くは「野党を支持する」という選択肢を持っていません。

 「企業に負担させるべき」と主張する野党もいますが、それをやると “企業で働く若者を含めた現役世代” が「収入減」という形で影響を被ることになるのです。

 民主党政権が『超円高』を放置したことで、企業は人員削減や倒産を余儀なくされました。そうした状況を失敗例として認識せず、結果を残している安倍政権の政策に言いがかりを付けているだけなのですから、見向きをされなくなるのは当然でしょう。

 また、そのような姿勢の野党に理解を示す論調のマスコミは「野党の宣伝機関」と認定され、相手にされなくなるのも自明です。この認識が欠如しているから、朝日新聞はメディアの中でも急激な凋落に見舞われていると言えるでしょう。

 

 若者世代からの支持を得たいなら、「自分たちは自民党よりも良い経済状況を作ります」と公約すれば良いだけです。何も難しいことはありません。

 「どのような政策を実施し、それによってどれだけ効果が見込めるか」を具体的に示せば済む話です。提示した政策が自民党にパクられた場合は「私達が提案した政策の有効性を与党も認めた」と宣伝し、政策立案能力を有権者に訴えれば良いのです。

 そうした “実績” を1つずつ積み重ねることが、自民党支持者を切り崩す要因となるのです。地道な政治活動をせず、デモ活動で「給付額を増やせ」と叫んだところで真面目に働く有権者の反感を買うだけです。

 「根拠を示すことさえできない言いがかりを疑惑」と言い張ったところで、情報源を既に多様化している若者世代には何の効果もありません。むしろ、「レッテル貼りをする信用のならないメディア」として地位を固める逆効果をもたらしてしまうのです。

 「政治」をしている政党が自民党だけの状況では、自民党に支持が集まるのは自然なことです。それが「岩盤支持層に見えているだけ」と言えるのではないでしょうか。