選挙運動中に殴打された和田政宗候補に対し、CBC テレビが「小突かれただけで売名行為」と選挙妨害を公然と支持する

社会

 選挙妨害は公職選挙法第225条で禁じられた行為ですが、左派系の政治姿勢を採るマスコミは「安倍首相の応援演説を妨害することを黙認する」というスタンスです。

 このような状況下で今度は自民党の現職候補が選挙運動中に殴打されるという事件が発生しました。

 ところが、CBC テレビ報道部が「小突かれただけ。売名行為」とツイートをしたのです。どのような弁解をしたところで、「違法行為は容認できない」との姿勢を示せなければ意味がありません。コンプライアンス上の問題を抱えていると言わざるを得ないでしょう。

 

 10日午後4時ごろ、参院選比例代表に立候補している自民党現職の和田政宗氏（44）が、選挙応援に来た菅義偉官房長官と練り歩いていた仙台市青葉区の商店街で、通行中の男性に胸の辺りを素手でたたかれた。

 選挙活動中には様々なトラブルが起きますが、メディアに取り上げられるケースは極めて限定的です。「買収」などの選挙違反が報じられることが中心で、「演説妨害」や「候補者への殴打」は警察が立件に消極的なこともあり、メディアに取り上げられる案件はほとんどないと言えるでしょう。

 和田候補の場合は「与党候補が被害者」とのことでマスコミが殴打事件に対して『報道しない自由』を行使していました。

 ところが、選挙妨害の被害者に対して「売名行為」と CBC テレビがツイートしたのです。炎上が起きるのは当然と言えるでしょう。

 

「小突かれただけで売名行為」と CBC テレビ報道部がツイート

 CBC テレビ（＝ 中部日本放送、TBS 系列）の報道部は認証ツイッター・アカウントで和田政宗候補への殴打事件に対し、以下の返信を行いました。

画像：CBCテレビによる問題のツイート

 ちょっと小突かれただけ、暴行事件とは。大げさというより、売名行為。

 返信の相手は「和田政宗候補の認証ツイッター・アカウント」です。要するに、『CBC テレビ報道部（認証アカウント）』が『和田政宗候補（認証アカウント）』に「売名行為」と批判したことが騒動の発端です。

 このツイートは論外です。なぜなら、和田政宗候補が受けた行為は「公選法に違反する行為」だからです。CBC テレビのコンプライアンスに問題があると言わざるを得ないでしょう。

 

候補者への暴行は『選挙の自由妨害罪』に該当する犯罪行為

 CBC テレビはコンプライアンスへの認識が低いのでしょう。なぜなら、立候補者に対する殴打は公選法によって罰せられる行為に該当するからです。

（選挙の自由妨害罪）

  • 第二百二十五条　選挙に関し、次の各号に掲げる行為をした者は、四年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。
    1. 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき。
    2. 交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき。

 和田政宗氏は「公職の候補者」です。和田氏が選挙期間の運動中に何者かから「暴行若しくは威力を加えられた」のですから、公選法第225条の要件は十分に満たしています。

 この行為を支持するのであれば、「法律を守るつもりはない」と宣言していることと同じです。コンプライアンスは「法令遵守」の意味ですから、「CBC のコンプライアンスには問題あり」と言われても止むを得ません。

 その認識を有しているかが問われていると言えるでしょう。

 

「不適切な書き込みがあったため調査中」で済まされる問題ではない

 CBC テレビ報道部が「売名行為」とツイートしたことに対し、「不適切な書き込みがあったため調査中」と当該アカウントは弁解しています。

 ただ、調査をするだけでは不十分です。なぜなら、CBC テレビが認識した問題点と再発防止策が含まれた調査報告書が公表されなければ意味がないからです。

 まず、「誰が問題のツイートを投稿したのか」を明らかにすることは不可避です。内部の人間によるツイートなら、社内処分は避けられません。乗っ取りなら、セキュリティー上の問題に “飛び火” することになるからです。

 しかし、マスコミは「担当者」というオブラートに包み、「個人的な投稿を誤って公式アカウントで投稿してしまったことが原因」と誤魔化しに走る可能性があります。

 これは「情報」で商売する報道機関として論外な弁解であり、同業他社から厳しい批判を受けなければならない行為と言えるでしょう。

 

 違法行為に対する非難声明が出されていないことが問題でもあるのです。これではメディアによる報道が偏向するのは当然の結果と言わざるを得ないのではないでしょうか。