テレビ朝日、トランプ大統領の「they can leave (出て行くことができる)」を「出て行けば良い」と誤訳したデマ報道を流す

 トランプ大統領が「アメリカから出て行けば良い」と発言したことに対し、アメリカ国外にルーツを持つ民主党の女性議員が強く非難しているとテレビ朝日が報じています。

 この記事は「問題あり」と言わざるを得ません。なぜなら、文句を付けた女性議員らを擁護するためにトランプ大統領の発言内容を誤訳しているからです。"they can leave" を「出て行けば良い」と訳す語学力は深刻と言えるでしょう。

 

テレビ朝日が報じたニュースの内容

 テレビ朝日は7月16日付で次のように報じました。

画像:テレビ朝日のニュース

 トランプ大統領が祖先が国外出身の女性議員らに「アメリカから出て行けば良い」と発言したことについて、女性議員らが強く非難しました。

 トランプ大統領:「出て行きたいのなら、アメリカから出て行けば良い」

 この発言に対して、民主党の4人の女性議員らは「政策の議論に結び付かない個人攻撃だ」と非難しました。

 この記事の問題点は「トランプ大統領が発言した背景」に言及されていないことでしょう。発言を切り取っているから、トランプ大統領が発言に至った経緯が分かりにくいのです。

 では、テレビ朝日が切り取った部分を確認することにしましょう。

 

If they want to leave, they can leave.

 トランプ大統領が行った発言の背景は CNS ニュースが次のように報じています。

 If you're not happy here, then you can leave. As far as I'm concerned, if you hate our country, if you're not happy here, you can leave, and that's what I say all the time.


 (和訳)ここで幸せでないなら、離れることができる。私に言わせれば、私達の国を嫌っていたり、ここで幸せでないなら、離れることができる。これは私がいつも言っていることだ。

 テレビ朝日がニュースで利用した「If they want to leave, they can leave」は日本語訳すると「出て行きたいなら、出て行くことができる」です。

 「出て行けば良い」は明らかに誤訳であり、英語を学び始めて間もない中学生でも正しく翻訳できる難易度の英文です。これを正しく訳さずにデマを流しているのですから、情報の精度は「著しく悪い」と言わざるを得ないでしょう。

 

「〜 を推奨する」との意味の助動詞は may

 もし、テレビ朝日が報じた内容を英文を作るなら、その際に使用する助動詞は can ではなく may であるべきです。

 may は「〜を推奨する」という意味があります。"If they want to leave, they MAY leave." との表現であれば、「もし出て行きたいなら、出て行くことを推奨する」となるからです。

 can は「可能性(に基づく選択肢)がある」との提示の意味で用いられますから、「出て行けば良い」との命令や強要が含まれた表現で用いるには不適当です。

 直接的な表現では should (〜すべき)や have to / must (〜しなければならない)があります。これらの表現も使われていないのですから、「人種差別」と騒ぐ民主党の女性議員の行動の方が問題と言わざるを得ないでしょう。

 

 「アメリカを嫌っていたり、アメリカにいて幸せでないなら、出て行くことができる」と言われた側が「人種差別」と応戦しているのです。ルーツに関する言及がない中で「人種差別」などと言っている時点で「痛いところを突かれた」と認めていることと同じです。

 無理筋な擁護論を展開することはメディア不信を引き起こすだけで逆効果になることを自覚した上で時代のニーズに合わせて変化する必要があると言えるのではないでしょうか。