「独禁法違反の注意を受けた」と報じられたジャニーズ事務所、「相手が『グー』を出したとの報道について『パー』や『チョキ』を出されたことはない」と反論

 NHK が「ジャニーズ事務所が公正取引委員会から独占禁止法違反による注意を受けた」と報じたことに対し、ジャニーズ事務所が公式ウェブサイト上で見解を発表しています。

 ただ、プラスリリースは「極めて詐欺的」と言わざるを得ない内容です。このような発表を行う芸能事務所にマスコミがどれだけ “忖度” するのかも注目点と言えるでしょう。

 

 弊社が公正取引委員会より独占禁止法違反につながるおそれがあるとして注意を受けたとされる報道につきましてご報告申し上げます。

 弊社がテレビ局に圧力などをかけた事実はなく、公正取引委員会からも独占禁止法違反行為があったとして行政処分や警告を受けたものでもありません。とはいえ、このような当局からの調査を受けたことは重く受け止め、今後は誤解を受けないように留意したいと思います。

 

公正取引委員会が下す処分は “全部で3種類”

 公正取引委員会が独占禁止法違反に対して下す可能性があるのは次の3つのどれかです。

法的措置 排除措置命令などの行政措置が該当。行政処分であり、最も重い処分
警告 “違反のおそれ” がある行為を取りやめることなどを指示するために発せられる
注意 “違反につながるおそれ” がある行為が見られた際に未然防止を図る観点から発せられる

 ジャニーズ事務所は「『行政処分』や『警告』を受けたものではない」と主張していますが、NHK が報じたのは「『注意』を受けた」という内容です。しかし、ジャニーズ事務所は「『注意』を受けた事実はない」とは言及していません

 もし、「ジャニーズ事務所が公取委から『注意』を受けた事実」が存在しないなら、NHK の報道は誤報になります。この部分には触れていないのですから、「公取委から『注意』を受けたこと」は事実と言えるでしょう。

 

「じゃんけんの相手は『グー』を出した」との報道に「『チョキ』や『パー』を出された事実はありません」と反論している

 ジャニーズ事務所のプレスリリースをじゃんけんで例えると、以下のものになるでしょう。


 弊社が相手とじゃんけんをした際に『グー』を出されたとされる報道につきましてご報告申し上げます。

 弊社がじゃんけんの相手から『チョキ』や『パー』を出されたものでもありません。とはいえ、このような調査を受けたことは重く受け止め、今後は誤解を受けないように留意したいと思います。


 「相手は『グー』を出した」との報道に「相手が『チョキ』や『パー』を出した事実はありません」という内容のプレスリリースを発表しているのです。

 この発表内容は誤魔化すための詭弁と言わざるを得ません。つまり、ジャニーズ事務所は「相手が『グー』を出した」と認めることを頑なに拒んでいるのです。この “突っ込みどころ” を指摘できるかで「マスコミがジャニーズ事務所にどれだけ忖度しているか」のバロメーターになるでしょう。

 

 公取委の「注意」は世間に内容が公表される代物ではありません。“違反につながるおそれ” に過ぎないのですから、マスコミに「これまでと同じ忖度を暗に要求すること」が正しい経営方針と言えるでしょう。

 「弊社はタレントの起用に口出しする立場にない」と表面上は繰り返し何度も発表しておきながら、気に入らない起用方法をするマスコミに対するジャニーズの露出は「良い起用方法をされていない」など “最もらしい理由” で影響力を行使する手口は複数存在するからです。

 ジャニーズ事務所が噴飯物のプレスリリースを堂々と出したことに対し、苦言を呈する必要があると言えるのではないでしょうか。