立憲や国民など旧民主党の主要3党派が「合流」に合意、『民主党』が復活したことと同じ状態となる

 NHK によりますと、民主党のルーツを持つ野党の主要3党派の代表が「衆参両院の会派を合流すること」で正式に合意したとのことです。

 『立憲民主党』、『国民民主党』、『野田・前総理が率いる衆院会派』の3党派が合流するため、『民主党』が復活することとほぼ同義です。

 各党派間で政策が割れている部分は “棚上げ状態” とのことですから、「お家騒動」が続いているだけと言うこともできるでしょう。

 

 国会での会派の合流をめぐり、立憲民主党と国民民主党、それに衆議院の会派「社会保障を立て直す国民会議」の3党派の代表が会談し、来月4日に召集される見通しの臨時国会から衆・参両院で会派を合流することで正式に合意しました。

 立憲民主党の枝野代表と国民民主党の玉木代表、それに衆議院の会派「社会保障を立て直す国民会議」の代表を務める野田・前総理大臣は19日、国会内で会談し、会派の合流をめぐって、これまで調整を進めてきた内容を確認しました。

 そして来月4日に召集される見通しの臨時国会から衆・参両院で会派を合流することで正式に合意しました。

 

合流しなかった旧・民主党の議員を見つける方が難しい

 2019年10月に開かれる臨時国会に向けて会派合流に合意した党派は以下の3つです。

  1. 立憲民主党
    • 代表:枝野幸男
    • 主要議員:長妻昭、福山哲郎、辻元清美など
  2. 国民民主党
    • 代表:玉木雄一郎
    • 主要議員:大塚耕平、古川元久、平野博文など
  3. 社会保障を立て直す国民会議(会派)
    • 旧称・『無所属の会』
    • 代表:野田佳彦
    • 主要議員:玄葉光一郎、松原仁、柿沢未途など

 『社会保障を立て直す国民会議』が最も知名度が低い会派ですが、この会派は「旧称・無所属の会」です。2019年1月に『無所属の会』の岡田克也代表らが立憲民主党の会派入りをした際に歩調を合わせなかった議員で構成されており、民主党・右派という表現が適切と言えるでしょう。

 つまり、そうした立場の議員を含めた「会派の合流」が決定されたのです。「旧・民主党が復活した」との認識で誤解を招くようなことはないと言い切ることができるはずです。

 

会派の合流はしたものの、意見が割れる政策は棚上げのまま

 民主党が民進党を経て分裂に至った結果は「政治的立場の違い」と「勝ち馬に乗ろうとした議員らの離反」が主な要因でした。

 立憲民主党が発足した理由も「小池都知事の人気にあやかって『希望の党』への合流を決めたが、政策上の立場の違いから排除された枝野議員らが結集した」というものです。それを「草の根運動で発足した政党」と歴史を改竄しているのですから、同じことを繰り返すことになるでしょう。

 また、政治的立場の違いで足並みが乱れていることも問題です。

 一方、各党派で立場に違いのある憲法改正や原子力政策、それに消費税をめぐる考え方については、政策の中身について具体的な調整は行われないまま、合流を迎えることになりました。

 「多様性を掲げる政党内に多様な意見があるのは良いこと」と言うことができます。ただし、多様性に価値があるのは「政策目標に対する実現方法が複数提案されている場合」であり、政策の賛否が割れて収集がつかない場合は「対立」です。

 旧・民主党の時から続く「内部の対立」に対し、結束する根拠が『反安倍』では “ナショナリズム” を煽る原理主義と同じです。この部分を認識することができていないから、野党の支持が伸び悩むことになり、結果として『安倍一強』を招く結果になるのでしょう。

 

 民主党はお家騒動が続いている状況であり、党としての方向性が定まっていないことと変わりありません。政策の内容に対する調整が行われないまま合流することになったのですから、「数合わせ」以外の何者でもないと言えるではないでしょうか。