「台風19号接近中に質問通告の遅れで官僚に残業を強いていた」と指摘された森裕子議員、「情報漏洩だ」との論点逸らしで逃げを図る

 台風19号が首都圏に接近していた10月11日に「森ゆうこ議員(国民民主)が定められた期限よりも遅い時間に質問通告を終えたため、深夜残業を強いられた」との不満がネットに投稿されたと日経新聞が報じています。

 「質問通告の遅れ」を(官僚と見られる人物のアカウントを中心に)批判された森ゆうこ議員は「情報漏洩だ」と反論し、批判の論点を逸らしています。発表物の提出期限を守れなかった小学生が「提出物の内容が漏れた」と文句を言っていることと同じです。

 開き直りも甚だしいと言わざるを得ないでしょう。

 

 森氏は自身のツイッターで、15日の質問について「11日午後4時半に通告済みだ」とし、同日午後5時とされていた通告期限より前だったと主張した。森氏が示したのは14のテーマが記された箇条書きの質問項目だった。

 (中略)

 答弁を用意する省庁側によると期限の午後5時までに届かなかったという。それに加え、各省庁には夕刻以降も詳細な質問内容が断続的に送られてきたという。複数の官僚とみられる人が匿名で、深夜まで作業を強いられたなどとネット上に投稿した。

 

森ゆうこ議員が「11日午後4時半に通告が完了していた証拠」を提示すれば、批判の根拠は失われる

 まず、現役官僚と見られる人物からの告発は「森議員が通告期限を守らず、台風19号が接近する中で帰りたくても帰れない」というものです。

 台風19号は10月12日(土)に首都圏に最接近する予報が出ていたため、霞が関の中央省庁で働く職員を早期帰宅させるために「11日の午後5時までに質問通告を終えて職員の拘束を解くこと」が国会議員には求められていました。

 しかし、「森ゆうこ議員の質問通告が完了していなかった」との指摘がされたのです。

 重要なのは「通告が終わった時間」です。なぜなら、通告が終わらなければ、官僚が帰宅することができないからです。したがって、11日の午後4時半に森ゆうこ議員の『質問通告』が完了していたことを議員自身が示せば、批判される根拠は失われることになります。

 その根拠を示さず、「情報漏洩だ」と論点逸らしに走っているのですから、森ゆうこ議員の主張は論外と言わざるを得ないでしょう。

 

「(官僚からの)情報漏洩で国会議員の言論を封殺しようとしている」と責任転嫁を図る

 「質問通告の遅れ」を批判された森ゆうこ議員は “批判された内容” に反論するのではなく、「国会議員の言論を封殺しようとしている」と的外れな主張を自身のツイッターで展開しています。

画像:森ゆうこ議員のツイート1

 森ゆうこ議員の主張は「詭弁」です。なぜなら、官僚が(ネットに投稿して)批判したのは「質問の内容」ではなく、「質問通告が完了した時間」だからです。

 国会議員は憲法51条で「議院で行った演説・討論または表決について院外で責任を問われない」と定められています。これを持ち出すことで「言論弾圧の被害者アピール」をしていますが、“官僚からの批判” から論点を逸らそうとしていることは明白と言わざるを得ません。

 

憲法57条で「国会は公開」と明記されている上、森ゆうこ議員も質問内容を公表済み

 また、森ゆうこ議員らは「質問通告の内容が世間に知られるのは問題」と主張し、「官僚に残業を強いる」とのパワハラ告発を『情報漏洩問題』とレッテル貼りを行う有様です。

 この主張内容も非常に雑と言わざるを得ないでしょう。なぜなら、森ゆうこ議員(のスタッフ)がツイッターで質問通告の内容を投稿しているからです。

画像:森ゆうこ議員のツイート2

 自分で公開しておきながら、「漏洩問題」として騒ぐのは意味不明です。

 しかも憲法57条で「両議院の会議は公開とする」と明記されているのですから、国会議員が秘密裏に活動するなど論外です。自らは「情報公開」を要求しておきながら、「質問内容は秘密裏にせよ」は通用しません。

 そもそも、予算委員会に参考人として呼ばれる人物には事前の連絡が行きますし、質問通告した内容の要旨はマスコミにも送られるでしょう。これは議会や委員会をスムーズに運営し、報道内容の質を高めるための下準備として重要なことだからです。

 しかし、森ゆうこ議員はその責務を放棄したことで厳しい批判を受け、逆ギレをしたのです。国民が納めた税金を “国会闘争” で無駄遣いをしているのですから、論外と言わざるを得ないでしょう。

 

 世間で働き方改革が求められている中で国会議員がパワハラによるブラック労働を強いていることは大きな問題であり、「国会でのあり方」を見直すのではなく、「逆ギレをした挙句の責任転嫁」に奔走する姿勢は厳しく糾弾されるべきと言えるのではないでしょうか。