北朝鮮・平壌でサッカーW杯予選を戦った韓国代表、「相手のラフプレーは限度を超えていた」との批判を展開も日本から同調の声は出ず

 朝鮮日報が10月18日付の社説で「韓国代表が平壌で受けた仕打ち」と題し、カタールW杯アジア予選で北朝鮮・平壌での試合を行った韓国代表が語った不満を記事にしています。

 ラフプレー上等なチームに対する風当たりは世界的に厳しいのですが、韓国代表に対する同情の声はあまり出ていません。これは普段から韓国代表が「テコンサッカー」と揶揄されるレベルでラフプレーをしているため、自業自得と見られているのでしょう。

 

 平壌でのワールドカップ予選を終えて戻ってきたサッカー韓国代表の選手たちが「悪夢のような試合」について語り始めた。キャプテンの孫興民(ソン・フンミン)は17日「相手(北朝鮮)のラフプレーがあまりにもひどく、暴言も多かった」「けがをせず帰ってこられただけでもよかった」と語った。大韓蹴球協会の崔英一(チェ・ヨンイル)副会長は「(北朝鮮選手たちは)肘を振り回して膝を当ててきた」「過去にこんなサッカーは見たことがない」とした上で「戦争のようだった」と振り返った。試合中に明らかな暴行を受けた韓国選手もいたという。

 

ムン・ジェイン政権に “冷水” を浴びせた北朝鮮

 親北派のムン・ジェイン政権にとって北朝鮮を訪問した韓国代表が受けた仕打ちは「冷水を浴びせられたも同然」でしょう。なぜなら、以下のような対応をされたからです。

  • 中国・北京経由での入国を強いる
  • サポーターの入国は不可
  • 通関に3時間、選手用の食材はすべて没収
  • 無観客試合&テレビ中継禁止
  • 試合はラフプレーのオンパレード

 ムン・ジェイン政権は「サッカーを通して北朝鮮との現状を打開したい」との思惑を持っていたと思われます。しかし、その目論見は完全に外れました。

 なぜなら、北朝鮮の対応が敵意むき出しだったからです。渡航時点から嫌がらせを行い、入管や試合中にまで及んでいたからです。

 少なくとも、「北朝鮮は韓国のことを好ましくは思っていない」という現実が突きつけられたと言えるでしょう。

 

韓国と “ラフプレー合戦” をするような代表チームは珍しい

 韓国代表は「ラフプレーがあまりに酷かった」と不満を口にしていますが、親韓派が多い日本から共感する声はほとんどありません。これは自業自得の面が大きいからでしょう。

 韓国代表のサッカー・スタイルは “テコン・サッカー” と揶揄されるほどラフプレーが多いものです。

 親善試合であっても蹴りを入れるのは当たり前。ブラジル代表のネイマール選手はタッチラインを出ていたにも関わらず、背後から蹴られる有様でした。したがって、韓国代表がプレーする試合でラフプレーを見ることは珍しくはありません。

 しかし、今回は韓国代表がラフプレーを “する側” から “される側” に回ったから面食らっているのでしょう。ただ、韓国代表によるラフプレーを好ましく思っていない人々は被害者となった韓国代表に同情を示すことはありません。

 だから、韓国代表の言い分に同調する人がほとんど現れず、失笑される事態が起きているのです。

 

『2032年の夏季オリンピック共催』を掲げたままにするのかが注目点

 ムン・ジェイン大統領は「2032年の夏季オリンピックをソウルと平壌で共催」や「日中韓北の4カ国でW杯共催」などスポーツをテコにした『南北融和路線』を猛プッシュしていました。

 親北派や従北派は「北朝鮮と分かり合える」と主張していますが、それが「北朝鮮は独裁国家のまま」という “現実” が見せつけられる結果になったのです。現状を打破することはできず、逆にマイナス効果が生まれたと言えるでしょう。

 鎖国状態の国家と国際的なスポーツイベントを共催するメリットはありません。そもそも、共催を希望する韓国と北朝鮮の間に信頼関係が築かれていないのですから、スポーツを政治利用していることと同じです。

 北朝鮮の機嫌を損ねないために統一部は「理解」を表明しています。スポーツマンシップが見られない状況では共催はできないですし、「人のふり見て我がふり直せ」を韓国が実践することが世間を味方に付ける近道です。

 韓国が自らの姿勢を鑑みた上で周辺国やサッカーのライバル国から尊敬を勝ち取ることができなければ、失笑のネタを世界中に発信することになると言えるのではないでしょうか。