「日墺国交樹立150年の記念事業が『反日芸術展』と化している」との指摘で現地大使館からの公認を取り消された出展者などが逆ギレ

 NHK によりますと、日本とオーストリアの国交樹立150周年を記念する事業としてオーストリアの首都ウィーンで開かれていた芸術展の公認が在オーストリア日本大使館から取り消されたとのことです。

 取り消しの理由は「両国の友好関係の促進に合致しないから」というものです。展示されていた作品が『あいちトリエンナーレ』などで問題視された「反日プロパガンダの作品群」なのですから、決定は妥当と言わざるを得ないでしょう。

 出展者はこの決定に文句を言っていますが、理由は「国の公認が取り消されるとスポンサー企業も逃げ出すから」という金銭的なものです。作品展を行う自由は確保されているのですから、特定のプロパガンダに対する公的支援は不要と言えるでしょう。

 

 オーストリアの首都ウィーンで、日本との国交樹立150年を記念する事業として開かれている芸術展について、現地の日本大使館が公認を取り消していたことがわかりました。芸術展では、安倍総理大臣や原発事故などを風刺したような作品が展示され、大使館は「友好関係の促進に合致していないと総合的に判断した」と説明しています。

 

公認が取り消されたのはツイッター・ユーザーによる指摘が発端

 問題が世間に知れ渡ったのは10月末にツイッター・ユーザー shin 氏が行った以下のツイートがバズったからでしょう。

画像:shin氏のツイート

 このツイートにより、在オーストリア日本大使館が「日墺国交樹立150年の記念事業」として公認する『JAPAN UNLIMITED』に反日プロパガンダ作品が多数展示されていることが明らかになったからです。

画像:shin氏のツイート2
  • 安倍首相(らしき人物)に扮した会田誠氏がアジアの近隣諸国に侵略を謝罪する映像作品
  • 昭和天皇を揶揄・侮辱する作品
  • 日の丸から血が滴る防護服で原発事故を揶揄する作品
  • 『あいちトリエンナーレ』で炎上した福島ヘイト(Chim Pom 作品)

 これらの作品は「日本とオーストリアの友好関係促進」に寄与すると言えるものではありません。したがって、これらの作品を堂々と展示するイベントに対し、日本側が『公認』のお墨付きを与える意味はないと言わざるを得ないでしょう。

 

大使館から公認を取り消された芸術展に出展していた会田誠氏は「おう、そこのポチ」と批判者を恫喝

 ネットで批判が起こったことで現地大使館から公認を取り消されたことに対し、出展者の1人である会田誠氏は「おう、そこのポチ」と批判をしたツイッター・ユーザーを恫喝しています。

画像:会田誠氏のツイート

 これは shin 氏に的確な批判を受けたことで本音が出てしまったのでしょう。『あいちトリエンナーレ』で炎上問題を起こした作品の出展者が『JAPAN UNLIMITED』にも出展しており、同様の問題が発覚しました。

 この中には来年行われる『ひろしまトリエンナーレ』に出展する作家もいることから、文化庁からの補助金による助成を撤回される恐れがある状況です。

 その結果、“補助金や公認の取り消しドミノ” が発生していますと、既存の『箔付けビジネス』が瓦解することになります。だから、出展作家や応援するリベラル界隈が的外れな批判を声高に主張しているのでしょう。

 

政治イデオロギー作家が「箔付け」のために行政を利用しようとするから、公的支援の適正を問われることになる

 展示会に対する補助金や公認を取り消された側は異口同音に「芸術や表現の自由の観点から尊重されるべき」と主張しています。これは奇妙なロジックと言えるでしょう。

 なぜなら、作品を世に発表する自由は担保されていますし、それを行政が阻害したことはありません。展示会に補助金や公認を出さなくなっただけです。

 オーストリアでの件は「日本とオーストリアの国交樹立150周年」に合致した作品群が展示されていれば、現地の大使館からの公認が取り消されることはなかったでしょう。しかし、公認を得た主催者が展示したのは「反日プロパガンダに基づく作品群」でした。

 そうした作品群であっても、展示会の開催費用を自前で調達すれば、表現をする自由はあります。特定の政治イデオロギーを表現するために国やスポンサーの看板を作者や展示会主催者が自由に使う資格はないですし、他者のブランドを勝手に使おうとする芸術家の姿勢の方が問題と言わざるを得ません。

 

国や自治体からの “お墨付き” がないと、スポンサーを集めにくいという問題がある

 現代アート作家が炎上問題を起こし、悪目立ちする結果になっている理由は「国(や現地大使館)からの公認が取り消されるとスポンサーも雲散霧消してしまうから」でしょう。

 スポンサーを務める企業は社会貢献の一環で文化・芸術に資金を拠出しますが、チェックするための人員を抱えていることは稀です。そのため、「国などの公的機関が認証しているなら、問題になることはないだろう」との立場で支援に回ることが基本になっているはずです。

 つまり、国や自治体が認証を取り消すと、スポンサーを続けるには自分たちで「問題がないこと」を調べることが条件になります。本業以外ではない社会貢献で追加コストをかけることは本末転倒ですし、「撤退して別の分野に資金を投じた方が合理的」との判断を下すケースが増えることでしょう。

 ただ、この動きが起きるようになると、国や自治体の看板に寄生していた自称・現代アート作家の食い扶持が絶たれることになります。だから、「これまでどおりに行政が(反日プロパガンダ作品を作る)芸術家に補助金を出すなどの形で箔を付けさせろ」との主張をオブラートに包む形で発信しているのです。

 ノーチェックに近い状態で公的支援が行われていたことは問題ですし、今後は「行政が支援するイベントの内容と展示予定の作品が合致しているか」を事前にチェックすることが不可避と言わざるを得ないでしょう。

 公金や行政の “お墨付き” を私的に使用できることは明らかに問題であり、それが蔓延している芸術界に厳しい視線が向けられるのは止むを得ないと言えるのではないでしょうか。