立憲民主党と国民民主党の合流は見送りが決定、内輪揉めで主導権争いをしているようでは期待度は上がらないだろう

 NHK によりますと、立憲民主党と国民民主党の合流協議は合意の見通しが立たないとの理由で見送りになったとのことです。

 立憲民主党は「多額の政党助成金を得るために所属議員数を増やしたい」ですし、国民民主党の一部の議員は「比例復活のために立憲民主党の看板が欲しい」という状況にあります。政策が不一致のままでの合流は単なる野合と変わりないと言えるでしょう。

 

 立憲民主党と国民民主党は、合流をめぐる協議で合意できる見通しが立たないとして、当面、合流を見送ることになりました。両党は、通常国会の対応に集中し、一つの会派で活動する中で、連携強化を目指したいとしています。

 

国民民主党は津村啓介議員ら “訳あり議員” が「立憲民主党との合流」に躍起になっている

 国民民主党の所属議員で「立憲民主党との合流」に躍起になっているのは津村議員など “訳あり議員” です。津村議員など21名は両院議員総会の開催を求めるなど合流に積極的です。

表: 両院議員総会を求めた国民民主党の所属議員
議員名



(17)

(3)
篠原孝(長野1区)、下条みつ(長野2区)、屋良朝博(沖縄3区)

(14)
北海道 山岡達丸(北海道9区)
東北 小熊慎司(福島4区)、緑川貴士(秋田2区)
北関東 小宮山泰子(埼玉7区)、森田俊和(埼玉12区)
南関東 奥野総一郎(千葉9区)、谷田川元(千葉10区)
東海 日吉雄太(静岡7区)、源馬謙太郎(静岡8区)、牧義夫(愛知4区)
北陸 近藤和也(石川3区)、斉木武志(福井2区)
中国 津村啓介(岡山2区)
九州 稲富修二(福岡2区)



(4)

(3)
木戸口英司(岩手)、森裕子(新潟)、横澤高徳(岩手)

(1)
青木愛

 これらの議員に共通するのは「次回総選挙で当選が危うい比例復活組」「小沢一郎議員との所縁が深い参院議員」です。

 比例復活組は “他の政党” に移籍することはできません。例外は『所属政党』が『他の政党』の合併するケースです。だから、「『国民民主党』では次回の選挙で当選することは難しい」と考える比例復活組は『立憲民主党の看板』が喉から手が出るほど欲しいことでしょう。

 「1% を切る支持率の国民民主党」より「支持率 5.4% の立憲民主党」の方が比例復活枠が多くなるからです。また、候補者の一本化ができていない小選挙区を勝ち切ることができる候補は少ないでしょう。だから、我先に “少しでもマシに見える別の泥舟” と移りたがるのです。

 

『合流』の話はメディアに取り上げられるが、「『政策の方向性』が一致した」との報道は聞こえて来ない

 立憲と国民の「合流協議」はメディアに取り上げられる頻度は高い状況です。その一方で「政策の方向性が一致した」との報道は見当たりません。

 この状況で歩調を合わせようとしても、遅かれ早かれ “共同戦線” は破綻することになるでしょう。

 国政政党は様々な分野の政策を立案しなければならない立場にあります。しかし、価値観が不一致した状況の政党は『党としての政策』を取りまとめることができず、党の内部で主導権争いが勃発することが目に見えています

 どれだけ丁寧な議論をしようが、有権者にとって重要なのは「議論の結果が受け入れられるものであるか」という点です。今の野党はコアな支持層の顔色を見てばかりですから、『意見が割れる議題』で結論を出すことはできないでしょう。

 だから、野党は「執行部の決定に対して党所属の議員が異論を述べられない統治体系」へ突き進み、選挙などで主張している多様性が党の内部には存在しない環境を作り、有権者から見放されてしまうのです。自業自得と言わざるを得ないでしょう。

 

立憲と国民は議論で『政策協定』を一致させてから、『合流』に言及すべきだ

 有権者が野党に対して冷ややかな視線を浴びせる原因になっているのは「野党の言う “丁寧な議論” で結論が導き出されないから」という部分も否定できないからでしょう。

 国会対応などで野党は「丁寧な議論をすべき」と政府・与党に注文を付けています。しかし、互いに受け入れられない主張同士の議論を続けたところで時間の無駄です。

 政治など社会生活で求められるのは『結論や結果を出すための議論』です。『互いの主張をぶつけ合う議論』が評価されるのは当事者責任を負わない立場だけです。「ゴネて相手が譲歩すれば儲けもの」なのですから、“丁寧な議論” などという無意味なことに固執しているのでしょう。

 野党が主張するプロセスが機能しているなら、“丁寧な議論” を通して立憲と国民が『政策協定』を結ぶことができているはずです。それすらできない政党同士が『合流』を口にすることは順序が逆ですし、国会での論戦は有権者に向けたテレビパフォーマンスと言わざるを得ません。

 

 選挙目当ての「野合連合」に期待を寄せる有権者はいないでしょう。「野党を育てる必要がある」と主張するマスコミは『野合』に走る野党を批判しなければならないはずです。

 メディアが率先して茶番劇に走る野党に理解を示しているから、どの野党の支持が伸び悩む事態になっていると言えるのではないでしょうか。