阪神タイガースは五輪の中断期間に計画している『無観客の練習試合』を『観客を入れたチャリティー試合』に変更すべきだ

 デイリースポーツによりますと、阪神タイガースが東京オリンピック開催中にプロ野球の公式戦が中断される期間にパ・リーグの4球団を相手に「無観客試合」を予定しているとのことです。

 無観客にする理由は「オリンピック開催中に配慮するため」とのことですが、これはファンを置き去りにした対応と言わざるを得ないでしょう。“商業的な要素” を排除する必要があるなら、『チャリティー』にすれば良いだけです。

 野球界の将来を見据えた『チャリティーマッチ』を企画する方が将来に向けて意味が大きいと言えるでしょう。

 

 阪神が東京五輪開催中の公式戦中断期間で、パ・リーグ4球団を相手に計9試合の無観客試合を予定していることが26日、分かった。

 (中略)

 相手はオリックスや西武などパ・リーグ4球団。甲子園、ほっともっとフィールド神戸を舞台に9試合を予定している。五輪開催中であることを考慮し、球団幹部は「商業的要素を排除して、あくまでも練習と捉えて」と無観客で行われる見通しだ。

 

オリンピックで盛り上がるのは「東京を中心とした東日本」であり、中日本より西には関係がない

 東京五輪では『野球』が競技に復活し、プロ球団も協力を惜しむことはないでしょう。なぜなら、金メダルが野球界にとっての『悲願』であり、日本国民からの『至上命令』だからです。

 そのため、プロ野球の “興行” をオリンピック開催中に自粛することは合理的です。

 「最高峰のプロリーグ」をオリンピック競技が行われている国で並行させると、“潰し合い” が発生します。『侍ジャパンに主力選手を送り出した球団』は不利益を被ることになりますし、公平な競争環境は維持されるべきと言えるでしょう。

 ただ、オリンピック競技が行われるのは「東京を中心とした東日本(≒ 首都圏)」です。中日本よりも西ではほとんど関係ありませんし、スポーツ観戦の機会を剥奪されるファンにとっては迷惑と言わざるを得ません。

 

『無観客の練習試合』ではなく『観客を入れたチャリティー戦』に変更すべき

 阪神の球団幹部は「商業的要素を排除したい」という思惑を持っているようです。これは 興行を行いたくでも本拠地球場が使用できない球団もあるため、そうした配慮が働くのは球界人として理解できるものです。

 だから、無観客試合であくまでも『練習』という姿勢を示しているのでしょう。

 それなら、『チャリティー戦』に変更すべきです。慈善試合は興行ではありません。「チャリティーマッチ」として該当の9試合を行い、両チームのファンに対して観戦チケットを通常よりの安い価格で販売するべきです。

 収益は対戦した球団(= 阪神やパ・リーグの4チーム)が得るのではなく、試合の開催経費を差し引いた分を全額チャリティーに回すべきです。

 対象は「アマチュア球界」とし、将来のプロ野球界のために向けた収益の使い方をすべきでしょう。野球をするにはバットやボール、キャッチャーのプロテクターなどを揃えるために資金が必要となります。

 この部分は小・中学生を対象としたチームが存続するための大きな負担となっており、『プロ球団がチャリティーマッチで得た収益』を寄付する意味はあるはずです。

 

チャリティー戦をするなら、アマチュア組織に寄付をして “アマ側のメンツ” を立てるべきだ

 ただ、プロ球団がチャリティーで得た収益を「小・中学生で構成される野球チーム」に直接渡そうとする形はアマチュア機構側が嫌うでしょう。それなら、マスコミの前でプロ球団が『アマチュア機構の代表者』に「寄付の目録」を手渡せば良いことです。

 アマチュア機構のメンツは保たれますし、「受け取った寄付を的確に配分したのか」との “監視” も行われることになります。

 チャリティー戦の収益を球団側や選手が得る訳ではありませんし、観戦チケットを購入したファンも「将来の野球界のため」との理由があるため、負い目に感じることはないでしょう。また、「事実上の興行ではないか」との外部からの批判には「チャリティーだ」と反論できるため、雑音を封じることは容易なはずです。

 『非公開の練習試合』をするなら、『チャリティーマッチ』で観客を呼んだ上で収益を寄付に回すべきです。『チャリティーマッチ』なら試合結果に固執する必要はありませんし、『練習試合』と同じ特別ルールを採用することも可能です。

 阪神タイガースの球団首脳陣は予定している試合形式を変更し、「将来の野球界のための啓蒙活動」を実行すべきと言えるのではないでしょうか。