立憲民主党が「安倍首相はオリンピックを政治的日程と捉えているようだから集中審議で追求する」と宣言

 立憲民主党の安住淳・国対委員長が「来月に(新型コロナウイルスの問題で1年ほどの開催延期が決定した)オリンピックの集中審議をする」と記者団に述べたことを党の公式ツイッターが紹介しています。

 どのようなテーマを国会で取り上げるかは各政党の自由です。ただ、「安倍首相が政治的日程と捉えているようだ」との “勝手な思い込み” に基づいて集中審議を要求する立憲民主党の姿勢は論外と言わざるを得ないでしょう。

 

立憲民主党のツイート内容

 立憲民主党がツイートした内容は以下のとおりです。

画像:立憲民主党のツイート

 できれば来月ですね。ただ、具体的な日時とかそういうことが決まらないと、ある意味オリンピックを、安倍総理の場合は政治的日程と捉えているようですから。

 我々はそうじゃなくて、きちっとした本当にアスリートの祭典にしてやるべきだという考えなんだけれども、実際にオリンピックというのは国民負担をかなり伴うもので、これから1年先になるわけですから、国民の税金をかなり投入することになる以上、詳細な日程やある程度質疑できる環境が整わないと。

 国対委員長が「なぜ野党の支持が伸び悩んでいるか」を如実に示す対応する形になっています。この点を認識できていないから、野党の支持率は低空飛行が続いているのでしょう。

 

「安倍首相がオリンピックを政治的日程と捉えている」という野党による一方的な決め付け

 野党が有権者から嫌われる大きな理由は「自分たちが結論を最初から決めている」ということです。

 今回の場合は「安倍首相がオリンピック延期を政治的日程と捉えている」という『結論』を野党は既に持っています。ただ、安倍首相がそのような発言をしたことはありません。

 しかし、野党内では「政治的日程としてオリンピックを捉えている」との『結論』があるため、「アスリートが二の次になっている」との批判を全面に押し出した『追求』が行われることでしょう。そして、マスコミも政権批判を目的に追従するはずです。

 勝手な決め付けで相手を批判するだけで、『政府や与党が提案する法案よりも効果が見込める根拠が付随した法案』を国会に提出することはないのです。これでは野党の支持が低いままなのは当たり前と言わざるを得ません。

 

「新型コロナウイルスで『オリンピック出場選手の選考会』が開催できない国」が続出したから延期になった

 2020年の東京オリンピックが延期になったのは「選手が出場できないから」です。日本国内の政治は何の関係もありません。

 要するに、「新型コロナウイルスの問題で各国がオリンピック派遣選手を決める『最終選考会』を開催できなくなってしまったこと」が問題なのです。

 競技ごとの出場枠は大方決定済みです。しかし、出場枠を得る選手は3月以降に行われる『国内選手権』で決定するはずだったのですが、それが頓挫してしまったのです。

 オリンピックに出場するには「国内選手権で好成績を残すこと」が必要となりますが、多くの国で都市封鎖が行われており、アスリートはトレーニングができない状況にあります。

 そのため、『2020年夏に予定どおり開催』とした方が「アスリート軽視」と言わざるを得ないでしょう。なぜなら、メダルが期待できる有力選手を「(新型コロナを理由にした)入国拒否」で大会から排除できるからです。

 日本が史上最多の金メダルを獲得するために「予定どおりの開催」を強行した方がよっぽど “政治的” です。「全世界のアスリート」のことを考えるなら、延期は妥当な判断と言えるでしょう。

 

「決定事項に文句を言うだけで『提案』のできない野党」に存在価値はない

 また、野党が有権者から嫌われる理由は「決定事項に文句を言うだけ」も大きいでしょう。「いつ新型コロナウイルスは収束するのか」と政府を問いただすのは国政政党として無責任です。

 なぜなら、世界中で誰も(新型コロナウイルスの)収束予想を立てることはできていないからです。

 「この封じ込め策や対応策をすれば、現行の対応策よりも〇%の効果がある」と具体的に指摘することができれば、有権者からの支持を得られるでしょう。

 クルーズ船『ダイヤモンド・プリンセス』に乗り込んで大騒ぎした “専門家” を感染症対策の顧問に迎えることは可能です。国政政党は「専門家の知見を活かした政策立案」が期待されているのですから、“追求ごっこ” に興じるクレーマーが毛嫌いされるのは当たり前です。

 国会で新型コロナウイルスに関する様々なテーマで議論を行う必要性がある状況なのです。勝手に決めた結論を基に追求パフォーマンスを続ける野党は方針の転換をすべきと言えるのではないでしょうか。