「国内での新型コロナ感染者の3割は外国人は誤り」と厚労省に言わせたところで『主張の根拠』が公表されない状況では無意味

 ハフィントンポスト』や『バズフィード』が「国内での新型コロナウイルス感染者の3割が外国人との指摘は誤り」と主張しています。

 その根拠は「厚労省が述べたから」とのですが、厚労省の主張が事実と言える根拠は何1つ示していません。これが “ファクトチェック” と呼べる代物ではないことは明らかです。

 法的根拠がない状況で『通知』による外国人への生活保護の支給を続ける厚労省が「新型コロナ感染者の大部分は日本人」と主張していることと同じです。限度があるのですから、患者の国籍情報は公開されるべきものと言わざるを得ないでしょう。

 

「日本国内での新型コロナ感染者の3割は外国人」と読み取っても何ら問題はない

 まず、厚労省の基本方針は「国籍非公開・居住地公表」です。これは日本国内で新型コロナウイルスの感染第1号となった症例などからも明らかです。ちなみに、国籍に関する言及は2月10日発表分から始まりました。

画像:新型コロナウイルスの感染者数(2月10日発表分)

 この時点で日本人の感染者は1人(= 奈良在住のバス運転手)です。つまり、国内事例の有症状者のカテゴリーには少なくとも14名の外国籍保有者がカウントされているのです。

 では、2月20日に厚労省が発表したデータを確認することにしましょう。

画像:新型コロナウイルスの感染者数(2月20日発表分)

 実は2月20日の発表値から国内感染者の内訳が「日本人:46名・調査中:8名・外国籍:16名」と分かります。発表形式は2月29日までは維持されており、「日本人:171名・調査中:28名・外国籍:16名」までは確定と言える根拠がありました。

 ところが、厚労省は3月1日発表分からは『国籍調査中』の文言に触れなくなりました。

 「感染者の国籍を明らかにする必要はない」と考えているなら、3月1日の発表分から国籍関係の言及をすべて止めれば良かったのです。しかし、厚労省は日本国籍の感染者だけを数値発表し続けました。

 そして、厚労省のデータを基に「外国籍患者が病床を埋めている」との指摘があったことを受けてから匿名の担当者が「事実とは異なる」と “外国人に理解を示す左派系ネットメディア” に語ったのです。

 これだけでは反論の根拠として脆弱です。少なくとも反論の根拠となるデータを示す必要があると言えるでしょう。

 

「法の対象とはならない外国人にも生活保護を出すべし」との通知したままの厚労省

 厚労省の感覚は生活保護と同じなのでしょう。要するに、人道的支援の名の下に(日本にいる)外国人にも手厚くケアすべきと考えているのです。

 生活保護法(以下単に「法」という。)第1条により、外国人は法の適用対象とならないのであるが、当分の間、生活に困窮する外国人に対しては一般国民に対する生活保護の決定実施の取扱に準じて左の手続により必要と認める保護を行うこと。

 厚労省は「外国人は生活保護の適用対象にならないが、必要な保護を行うこと」との通知を出したままにしているのです。

 外国籍保有者の保護を行うのは当該国政府の責務です。日本ではありません。だから、「外国人による生活保護の受給」に対する批判が根強いのです。

 にも関わらず、厚労省は『外国人世帯による生活保護の受給割合』を公表することに消極的です。保守系の地方議員が自ら調査した所属する自治体の数値を発表することはあっても、厚労省は全体の数値を発表することはまずありません。

 「全体から見れば少数」、「個人情報保護」、「人道的支援」と様々な理由で外国人を優遇しているのですから、「差別は許されない」と啓蒙したところで効果は年々薄れることになるという現実を深刻に直すべきと言えるでしょう。

 

新型コロナウイルスが『指定感染症』である以上、情報非公開では「外国人による医療費のタダ乗り」を懸念する声は止まらない

 厚労省が「日本国内の新型コロナウイルス患者を外国人が3割も占めていない」と言っただけでは疑惑が払拭されることにはなりません。なぜなら、何の根拠も示されていないからです。

 日本に居住する外国人は全体の 2.3% ほどですから、新型コロナウイルスによる感染者も同程度は確率的に発生するでしょう。これは仕方のないことですし、そのこと自体は咎められることではありません。

 新型コロナウイルスが『指定感染症』となり、医療費は実質的に国が負担しているのです。したがって、外国人の日本国内発症例が「居住人口から見て誤差の範囲内」と言える状態であることを証明しない限り、“タダ乗り” に対する不満が出る温床となるのは避けるのは不可能です。

 「差別をするな」と言うのは簡単ですが、それは公平であることが前提です。「患者の割合は人口比と同じ」だし、「税負担は国籍に関係なく平等」だと言える根拠があれば、説得力は増すでしょう。

 しかし、現状はその前提となるデータが公表されていないのです。

 都市部では Meetup 経由で「外国人とのパーティー参加者の募集」が東京や大阪で行われていますし、これらが野放しになっている状況で「感染者の3割は外国人ではない」と言ったところで聞く耳を持たれないでしょう。

 

 日本の行政が強制力を持っていないことを知ってか知らずか好き勝手に行動を続ける人々は国籍を問わず存在しています。その代表例が『コロナ・パーティー』を呼びかける界隈ですし、それらの医療費を日本が負担させられるのは論外です。

 「感染者の3割は外国人ではない」と主張するなら、その根拠を示すべきでしょう。それすらできない状況なのですから、「国内での新型コロナ感染者は外国人が最大3割を占める」と断言できるのです。

 ハフポやバスフィードの『ファクトチェック記事』は「自分たちの希望的観測」を書いただけに過ぎません。ファクトのないファクトチェックが無意味であることを学習しなければならないのではないでしょうか。