報ステのメインキャスターが新型コロナに感染していたことが発覚したテレビ朝日は「自社の対応」を番組内で詳細に取り上げるべき

 テレビ朝日が『報道ステーション』のメインキャスターを務める富川悠太氏が新型コロナウイルスに感染していたことを明らかになったと発表いたしました。メディアは感染防止策が緩い業界ですから、感染者が出たことに対する驚きはありません。

 ただ、「情報公開」や「知る権利」を主張する先鋒だったのですから、「富川氏の行動履歴」と「接触者」を公開した上で「テレビ朝日による事後の対応策」も世間に公表すべきと言えるでしょう。

 

 テレビ朝日「報道ステーション」のメインキャスター・富川悠太アナウンサー(43)が、新型コロナウイルスに感染していたことが確認されました。

 富川アナウンサーは9日に息苦しさを感じるようになり、10日に医師の診察を受けてCT検査をしたところ、肺炎の症状が見られました。そして、11日にPCR検査を受けて陽性と確認されたということです。富川アナウンサーは3日と4日に発熱がありましたが、直ちに平熱に戻ったため通常勤務を続けていました。

 テレビ朝日では富川アナウンサーと接触したスタッフの自宅待機や消毒などを行うとともに、保健所などと連携しながら引き続き感染の拡大防止と出演者やスタッフらの安全確保に努めるとしています。

 

「発熱の症状が治ると通常業務に戻る」というマスコミの認識

 新型コロナウイルスで先日亡くなった MBS の男性取締役の時もそうでしたが、マスコミの内部には「新型コロナウイルスに罹患しない」という自信があるのでしょう。だから、発熱の症状が治った時点で業務に復帰しているのです。

 基本的に「他人事」ですから、「内部から感染者が出る」という事態は想定されていません。

 しかし、これは間違った認識です。該当などでも取材活動をするマスコミは不特定多数の人々と接触します。また、記者会見の現場は『3密』の条件を充している場合が多く、記者(や取材班が感染キャリアになるリスクは高いと言えるでしょう。

 そのため、記者や取材班が「放送部門」と接触する機会を極力少なくする自衛策を講じていたと考えられます。ただ、「打ち合わせ」などの “接触” は必然的に発生するのですから、それらの部分で対応の漏れがあったことは否定できないでしょう。

 

富川氏がテレビ朝日の内部で接触した人物をリストアップして対策を促すだけでも『良質のコンテンツ』と化す

 例えば、富川氏がテレビ朝日に出社してから担当する『報道ステーション』までの “一般的な1日の過ごし方” を追いかけるだけでも「十分なコンテンツ」となるでしょう。

  1. 出社。アナウンス室の自席でデスクワーク
  2. 『報ステ』の番組構成を制作陣との打ち合わせ
  3. 番組出演に向けた準備
  4. 番組終了後の反省会

 富川氏はテレビ朝日の社員ですから、「会社からの連絡事項」を確認するなどの事務作業をしているはずです。また、生放送の番組制作にもメインキャスターという立場で関わっているはずですから、1日での接触者は非常に多いことでしょう。

 「打ち合わせ」や「反省会」は『3密』の条件を全て満たす環境で行われているでしょうし、“富川氏が利用したピンマイク” も適切な消毒がされていなければ感染源になる可能性があるからです。

 たた、テレビ朝日は番組のメインキャスターが感染したことを利用できる立場にあります。『他社が真似のできないコンテンツ』を作れるのですから、そのまま起き上がるべきではないでしょう。

 

「自主隔離させた番組関係者」にオンライン取材し、不満やその対処策を提言すれば良い

 テレビ朝日は新型コロナウイルスへの感染が疑われる症状が現れた社員を熱が下がったことを理由に出社させたのです。弁解したこところで批判の声が下がらないでしょう。

 だったら、テレビ朝日が自主的に隔離させた番組関係者を『コンテンツ』として利用すべきです。

 「今日は何やってた?」や「身体の状態は?」など聞くべき要素は豊富にあります。また、「現状の不満」を聞いたり、それに対する対処策を提言したりと世間の役に立つことは可能です。

 きちんと隔離を行うのであれば、報道ステーションの番組制作に関わっている主力選手が軒並み対象となるはずです。「そのような対応ができるかが問われている」と言うこともできるでしょう。

 

 もし、テレビ朝日が新型コロナウイルスの感染者を出したことへの対処策の詳細を公表しないのであれば、緊急事態宣言の期間が終了する5月初旬まではテレビ朝日を出禁とすべきです。

 なぜなら、テレビ朝日の内部で既にクラスターが発生している可能性があるからです。オンラインでの取材ができるのですから、わざわざ “疑惑の取材陣” と顔を合わせる必要性は現状では限りなく低いでしょう。

 新型コロナウイルスが指定感染症である現状で患者数を増加させることは愚行と言わざるを得ません。「感染したことは悪ではない」と擁護できても、「感染が疑われる状況での富川氏の行動とテレビ朝日の方針」は厳しく批判され続けるべきと言えるのではないでしょうか。