韓国でも2020年3月の超過死亡は確認できず、アジア圏では新型コロナウイルスは脅威ではない根拠に

 韓国統計庁が発表した2020年3月の死者数は2万5878人でした。前年同月比で約1000人の増加が確認できますが、過去10年の推移で見ると許容範囲内でしょう。そのため、韓国でも新型コロナによる超過死亡は発生していないと言えるはずです。

画像:韓国での月別死亡者数の推移

 

2020年3月においても、韓国では超過死亡は発生しなかった

 韓国・テグ(大邱)で宗教団体による巨大クラスターが発生したのが2020年2月末。大邱や慶北を対象に「最大限の封鎖措置」が採られたものの、3月には医療崩壊が起きるなど新型コロナウイルスに関係する死者が発生していました。

 ただ、その3月においても「超過死亡が発生している」と言えるだけの死者数は記録されていません

 前年度比より約1000名の死者が増えたものの、2015年の2万6493名よりは少ない状況です。韓国も少子高齢化で年間の死者数が増加する状況にあるのですから、十分に許容範囲内だと言えるでしょう。

 

政権批判のネタにするため、政権を追求したい側が『超過死亡』を追い求める

 「予想されていた死者数よりも実際の死亡者数が多いこと」を示す『超過死亡』について執着を示す人がいる理由は「政権批判の材料になるから」でしょう。

 なぜなら、「新型コロナウイルス感染拡大を食い止めることに失敗した」と批判できるからです。日本では「安倍政権を叩きたい人々」が、韓国では「ムン・ジェイン政権を批判したい人々」が要求の声を上げる中心になっています。

 問題があるなら、『指摘』をした上で『改善策についての議論』を行い、実務能力を引き上げるまでが必要です。

 政権批判や吊るし上げをするための材料としてしか『超過死亡』を利用しないような識者・マスコミ・政治家はお呼びではありません。「経済の立て直し」や「被害想定の妥当性」など見直し対象は多数存在しているのです。

 批判することに比重を起き過ぎている人物は邪魔としか言いようがないでしょう。

 

新型コロナウイルスに対する “脅威” が欧米諸国とアジア圏では全く異なる

 新型コロナウイルス対策での評価を難しくしている要因は「世界中で感染が拡大したこと」でしょう。これにより、評価対象の選び方で見え方が大きく異なってしまうからです。

 例えば、『民主主義が尊重された先進国』という “振るい” にかけると、G7 の中では「日本だけが死者数が桁違いに少ない」という事実が示されます。

 しかし、『東アジア』という条件だと日本は「(平均的で)死者の絶対数は多い」という評価になります。ただ、日本は高齢者の絶対数が多いため、「死者の絶対数を単純に比較するのは不適切」と言うことになります。

 “脅威” は国ごとではなく、地域ごとによって異なる状況にあります。そのため、「日本だけが特別」や「韓国だけが特別」との評価を下すと見誤る原因になってしまうでしょう。

 アジア圏に属する国にとって新型コロナウイルスによる影響は軽微であり、上手く経済を再始動させることができるかが大きなポイントになると言えるのではないでしょうか。