うざい広告のブロック戦争、主戦場はスマートフォンに移行中

 オンラインコンテンツよりも派手に目立つ広告が掲載されているサイトが一般的な流れとなっています。

画像:デジタルメディアの変遷

 その防衛策として “ブロックツール” の導入が広まると、サイト運営者を中心に「広告ベースのオンラインビジネスモデルを脅かす」との悲鳴があがっている状況です。

 

 パソコンで広告を遮断する場合は、ブラウザーの拡張機能を利用することで可能になります。

 

 『uBlock Origin』や『Ad Block Plus』といった拡張ツールをインストールすることで、うっとおしいと感じる広告の大部分をブロックすることができます。しかし、このツールだけでは「自動で再生される動画」を停止することはできません。

 動画の場合、「何回再生されたか」によって広告費が増えるタイプの成果報酬制度が採用されているケースが一般的です。そのため、勝手に再生される “迷惑型” の広告ほど、ユーザーがストレスに感じることでしょう。

 フラッシュで埋め込まれているタイプの動画は自動再生されないようにブラウザーの基本仕様が変更されたのですが、HTML5 が主流となった2015年以降は『Disable HTML5 Autoplay』のようなツールを導入しなければ、勝手に再生してしまうことを止めることはできない状況となっています。

 

 ただし、その主戦場はパソコンからのアクセスではなく、スマートフォンなど携帯からのアクセスにシフトしています。

 はてなブログ(無料版)もスマホ用のページには「はてなによる(Google Adsense)広告」がデフォルトで3つ(PC版では1つ)入る設定となっていることからも、その兆候を見て取ることができます。

 ただ、パソコンからのアクセスとは異なり “通信制限” がかかるリスクのあるスマートフォンに表示される広告については大きな反感を買う恐れがあります。つまり、それだけブロックツールが爆発的に普及する土壌があることを意味しているのです。

 スマホなどモバイル環境でも「アプリ」や「ブロック機能付きブラウザー」を使うことで広告を遮断することが可能です。

 また、スマホでは facebook、instagram、twitter などのフィードで流れてくる動画が自動で再生されないように各アプリで自動再生をオフにしておくことが欠かせません。通信料を気にするユーザーが多いにもかかわらず、動画広告を流すようなサイトは反感を押し売りしているようなものなのです。

 

 コンテンツよりも強制的に読み込まされる広告に対する拒否権はユーザー側に与えられて当然でしょう。1ページ内に表示されている広告数が片手に収まるほどであれば、大きな批判が生じることはなかったと思われます。

 広告をブロックするユーザーは “広告をクリックする見込みのないユーザー” なのですから、収益に及ぼすマイナス面は限定的なのではないでしょうか。

 メディアとして勝負するのであれば、有料コンテンツの充実を図る方針を持つべきでしょう。広告モデルで収益を維持しようとすると、“釣り” の要素が強まり、扇情的な見出しや記事ばかりが目立つようになるリスクを無視できないからです。

 うざい広告が派手派手しく画面上に登場し続ける限り、ブロックツールを駆使するユーザーとサイト運営者のいたちごっこは終わらないと思われます。