サウジ戦でのPKは誤審だ
サッカー日本代表はサウジアラビア代表との大一番を 2-1 で勝利しましたが、先制点となったPKを獲得した場面では疑惑を呼ぶジャッジでした。
内容で圧倒したため、日本が勝利した結果は妥当と言えるでしょう。しかし、試合の行方に大きく影響を与える判定であっただけに、PKの判定は誤審だったと言われて当然です。
問題のジャッジは前半43分に清武選手がサウジアラビアのペナルティーエリア内で放ったシュートをサウジアラビアの選手がペナルティースポット付近でブロックした場面で発生しました。
正面からのスロー再生では、アルハイブリ選手の胸にボールが当たり、それが左腕にも伝うように接触したように見えます。しかし、実際には腕に当たっていなかったことでしょう。
もし、ハンドであれば、腕が後方に持って行かれているからです。
清武選手の(ほぼフルパワーの)シュートを約5mの至近距離からブロックして、腕を後ろに持って行かれていないのです。この条件でハンドと判定することは誤審と言えるでしょう。
サッカー女子 U-20 の大会でなでしこジャパンがハンドでスペイン代表にPKを献上したシーンを見れば、一目瞭然です。女子選手の山やりクロスであっても、腕に当たれば遠目からでも腕が持って行かれることが明確ですから、サウジ戦のジャッジはかなり日本寄りだったと言い切れるでしょう。
サウジアラビア側に落ち度があるとすれば、腕を体に密着させずにシュートブロックを行ったことです。
残念ながら、アジアの審判員はレベルが高くありません。選手はレベルの高い国外リーグに挑戦できますが、審判員はそうは行きません。「レベルの低いジャッジをする審判が試合を担当する可能性がある」という前提で準備ができていなかったツケを払う羽目になってしまったのです。
少なくとも、ビン・ジャハリ主審(シンガポール)のジャッジが日本にとって “ラッキー” だったことは否定できません。そして、この先の最終予選で “アンラッキーなジャッジ” が起きる前提で試合プランを用意しておく必要があるでしょう。
セーフティーリードを奪って時間を進めたり、試合を殺すといった試合運びの上手さが問われることになると思われます。
試合内容では圧倒していたのですから、決定力を含め、得点を奪う最後の仕上げをどうするのかをチームとして成熟させる必要があります。
最終予選の最後2試合は2017年8月31日と9月5日。欧州組のコンディションが整っていないことが予想される時期にオーストラリア戦とサウジアラビア戦が組まれていますので、それまでの3試合で勝点を取りこぼしていないことがW杯出場権を獲得するための必要条件と言えるのではないでしょうか。