外環道の東京都内トンネル工事が始まったことは渋滞緩和と環境にとってプラスだ

 東京都心の渋滞緩和を目的とした “外環道” の建設で、都内のトンネル区間を掘り進める工事がスタートしたとNHKが伝えています。

 渋滞が日常化していたことが解消に向かうことが期待され、排気ガスが原因の環境問題も改善することになるでしょう。解決すべき問題があることも事実ですが、プロジェクトが動き出したことは大きいと言えるはずです。

 

 東京、埼玉、千葉を環状で結ぶ「外環道」のうち、東京・世田谷区と練馬区を結ぶ16キロの区間は、地下およそ40メートルにトンネルを掘って片側3車線の道路を通す計画で、「シールドマシン」と呼ばれる掘削機を使ったトンネル工事が19日から始まりました。

 (中略)

 この区間が開通すると、東名高速道路と中央自動車道、それに関越自動車道がつながり、東名高速から関越道までの所要時間が現在の1時間前後から12分と大幅な短縮が見込まれます。

 

 外環道の建設が必要であると目されている理由は「都心に用のない車両が交通網の関係で、都心にまで流れ込み、慢性的な渋滞を引き起こす原因になっている」ということです。

 都心環状線を利用する車両の6割が通過するだけというデータも発表されており、迂回路を用意しておく必要はあると言えるでしょう。

 

 今回、掘削作業がスタートしたのは「東京・世田谷区の東名高速」と「練馬区の関越道」を結ぶ 16.2 キロの区間で、片側3車線の計6車線になる計画が立てられています。

画像:外環道の位置関係

 「東名高速」と「関越道」を結ぶ大動脈としての役割を果たしているのは “渋滞の名所” である環状8号線(通称:環8)です。約20キロを移動するために1時間前後の所用時間を要することが現状なのですから、時速20キロ前後でしか車が流れていないのです。

 これが、外環道のトンネル部分開通によって10分強に大幅短縮される訳ですから、経済効果は非常に高いと言えるでしょう。渋滞が緩和されることは車両の通行量が減少することを意味しており、排気ガスによる大気汚染も緩和されることが期待できます。

 東京に限らず、都市部は交通量自体が多くなります。そのため、通過するだけの車両が都市部を通過しなければならない状況は可能な限り回避する必要があるのです。

 

 およそ2割の用地買収が完了していないことが問題となっていますが、建設に反対するキャンペーンを展開するのは共産党が主導する形になるでしょう。大深度地下使用法が適用される形のプロジェクトに対し、不安を煽る形で反対運動を盛り上げようとするはずです。

 公共工事に反対する意見があることは普通のことですが、ただ反対するだけでは政党として問題です。

 東京の環8では渋滞が慢性的に発生しています。渋滞による経済損失が起きていることを意味しているのですが、それを解消する政策を示すことが政治家や政党としての責任であるはずです。

 効果的な経済政策すら発表することができず、公共工事にとにかく反対するしか能がない様では税金を原資とする給料を返上する必要があるのではないでしょうか。

 

 反対運動を主導するのであれば、感情論ではなく、根拠に基づく形で具体的な問題点を指摘しなければなりません。その上で、対案が示されていれば、第三者を中心とした中間層からの支持を得て、意見が通ることになるのです。

 ゴネるだけの反対運動はマイナスに作用する時代になったことを理解する必要があると言えるでしょう。