高温多湿である日本の28度は不快な温度だ、スーツ姿で外回りをすれば嫌でも実感するだろう

 環境大臣が “国民運動” と位置付けている『クールビズ』について、副大臣会議で「20度は不快な温度」との意見が述べられる場面があったと読売新聞が報じています。

 この意見は支持されるべきものでしょう。なぜなら、日本の夏場は高温多湿となり、室内温度が28度となっている状況ではかなり不快であることは事実だからです。

 

 夏に室温を28度にして軽装で過ごし、消費電力を減らす「クールビズ」について、旗振り役の環境省の関芳弘・副大臣が11日、首相官邸で開かれた副大臣会議で「28度は不快な温度」などと述べる一幕があった。

 同会議では、盛山正仁・法務副大臣が「なんとなく28度でスタートし、独り歩きしてきた。働きやすさの観点から検討しては」と見直しを提案。盛山副大臣は2005年のクールビズ開始当時、環境省で担当課長でもあり、関副大臣も「(28度は)無理があるのではないか。実はかなり不快な温度。科学的に検討を加える」などと応じたという。

 やり取りを伝え聞いた同省の国民生活対策室の担当者は、「28度はあくまで室温の目安。見直す予定はない。冷房の設定温度は職場の環境、働く人の体調などに応じて決めてほしい」と困惑した様子だった。

 

 

1:「室温28度」と「設定温度28度」

 環境省は “省エネ” を理由に『クールビズ』を推進しています。ただ、それによって労働効率が落ちては元も子もありません。

 「室温の目安は28度」と位置付けているため、多くの職場では「冷房の設定温度が28度」となっていることでしょう。

 これでは不快に感じる人が多くて当然です。設定温度が28度であれば、測定された位置が28度であり、暑さを感じる人が大勢いる場所では「28度以上」であることが往々にして起きるのです。

 また、湿度が高いことも暑苦しさを感じる大きな要因です。汗で湿度が補充されるのですから、実際よりも低い温度設定にしなければ、快適な職場環境になることはないのです。

 

2:「暑いと感じる人」と「寒いと感じる人」のどちらを優先するか

 冷房の設定温度は必ずと言っていいほど揉めます。「暑いから低くすべき」と主張する人と「寒いから温度設定を下げるな」と主張する人が対立するからです。

 「どちらの意見を採用するか」が問われる訳ですが、会社により大きな利益をもたらす方の意見を採用すべきです。

 ソフトウェアの開発をしているなら、エンジニアやプログラマーが求める環境を実現すべきです。営業が獲得している仕事が生命線なら、営業職の意向が大きく反映されるべきでしょう。

 要するに、会社の生命線を1番握っている社員たちが「働きやすい」と感じる環境にしなければならないのです。

 

3:「冷房の設定が寒いと感じる女性」への対応はどうするのか

 特別に対応する必要はありません。その女性が会社にとって重要度の高いポジションにいるのであれば、彼女の意見が採用されているはずだからです。

 もし、「女性軽視だ」という外部からの批判が気になるなら、全社員を対象に『ブランケット購入費』という名目でボーナスに1万円前後を上乗せすれば済む話です。

 それにより、冷房の設定温度を “暑いと感じる人の基準” で設定できます。また、「寒い、冷える」という意見を持つ人には『ブランケット購入費』が支給されているため、文句を言う資格はありません。

 「妊婦は身体を冷やすと〜」という “妊婦様” が現れた場合は「冬場になったら、どうするの?」と嫌味で返せば、ある程度は大人しくなるでしょう。

 

 アメリカの西海岸や地中海沿いなどの乾燥した地域では28度であっても、湿度が低いため不快感に思うことは少ないでしょう。しかし、日本の夏場は高温多湿であり、温度だけの問題ではないのです。

 除湿機能もフル稼働し、湿度の低い地域並みにならなければ、室温設定は25度ぐらいが現実的な数値と言えるはずです。エアコンの設定が寒く感じるのであれば、スーツ姿で外回りを行う役職への配置転換を希望することも選択肢の1つであるはずです。

 オフィス職は意外と薄手の服装が容認されており、身体を冷やしていることを自覚することから始めるべきなのではないでしょうか。