石川県知事の発言を批判するなら、北朝鮮への制裁を骨抜きにするために動いているムン・ジェイン大統領を称賛すべきだ
石川県の谷本知事が「北朝鮮が弾道ミサイルで攻撃するなら、兵糧攻めで国民を餓死させなければならない」と発言したことに対し、時事通信は「物議を醸しそうだ」と暗に批判しています。
谷本知事の考えには賛同できない人々は韓国ムン・ジェイン大統領の姿勢を褒め称えるべきでしょう。NHK によりますと、ピョンチャンオリンピックの会場として北朝鮮のスキー場を活用する意向であることを表明したからです。
経済制裁が行われている国に対し、「外貨獲得の手段となる国際的なスポーツイベントを開催させる」と宣言しているのです。この行為こそ、国際社会に対する挑戦と言えるでしょう。
韓国メディアによりますと、ピョンチャンオリンピックとパラリンピックを担当するト・ジョンファン(都鍾煥)文化体育観光相は20日、記者団に対して、女子のアイスホッケーについて、「南北の単一チームでオリンピックに出場できないか方法を探す」と述べ、韓国と北朝鮮の合同チームを作ることを検討すると表明したということです。
また、北朝鮮の東部にあるマシンニョン(馬息嶺)スキー場を活用することや、聖火リレーを北朝鮮でも行うことも検討し、今後、IOC=国際オリンピック委員会と協議していきたいという意向を明らかにしたということです。
NHK は記事で伝える際に、「南北の単独チーム結成を模索」という方を全面に出し、「北朝鮮で競技が行う」という内容を小さく扱っています。
これは明らかに韓国政府に対する “忖度” というものでしょう。なぜなら、北朝鮮は国際社会から経済制裁を受けている最中であり、そのような国で国際的なスポーツイベント開催することは北朝鮮経済を助けることに直結するからです。
韓国ムン・ジェイン大統領が一貫しているのは「北朝鮮に対し、徹底した宥和政策を採る」ということです。
北朝鮮の外貨獲得手段である「ケソン(開城)工業団地の操業」や「クムガンサン(金剛山)観光」を再開させると宣言しているのです。また、北朝鮮が不利となる THAAD の配備を妨害しており、“北朝鮮の代弁者” と言うこともできるでしょう。
ノ・ムヒョン大統領が行っていた北朝鮮政策を引き継いでいる状況なのです。日本海に向け、たびたび弾道ミサイルを発射する北朝鮮に批判的な声があがることは当然のことです。
もし、それによる被害が出るなら、谷本・石川県知事が述べた報復論により多くの支持が集まることになると思われます。
ムン・ジェイン大統領の政策で日本側が受ける恩恵は「韓国企業に重しを付けてくれること」でしょう。コスト高を無視して、石炭火力発電と原子力発電を止めると宣言してくれているのですから、韓国企業の製造コストは高くなります。
その上、「公務員を80万人以上増やす」や「年金・子ども手当アップ(予算は年間6000億円)」といったバラマキを宣言しているのです。
もちろん、韓国でも「予算はどうするのか」という指摘が出ているのですが、まったく相手にされていない状況です。ムン・ジェイン大統領の経済政策は韓国企業・韓国経済に大きなマイナスをもたらすものですから、市場でシェアを争う日系企業などはライバル勢が自滅することを願っていることでしょう。
「ムン大統領の北朝鮮政策にはまったく評価・賛同できないが、韓国国内に対する一連の経済政策は高く評価できる」という人は一定数はいると思われます。
少なくとも、地域社会の安定を揺るがす北朝鮮にさらなる資金を与える行為を平気で行おうとするムン・ジェイン大統領の行動こそ、物議を醸すものとして批判すべき対象なのではないでしょうか。