南スーダンのPKO日報は2月7日に公開済にもかかわらず、「15日の会議で稲田大臣が隠蔽した」と報じる朝日新聞
陸上自衛隊が南スーダンに PKO で派遣されたいた際の日報を巡り、朝日新聞が時系列を完全に無視した詐欺的な記事で稲田防衛大臣を批判しています。
これは明らかなフェイクニュースと言えるでしょう。
■ 朝日新聞が報じた内容
南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊の部隊が作成した日報が、「廃棄した」とされた後に陸自内で見つかった問題で、2月中旬にこの問題の対応を協議した防衛省内の幹部会議の数日前にも、陸自側から稲田朋美防衛相に陸自内の電子データの存在が報告されていた可能性があることが分かった。
■ 朝日新聞などが切り捨てている事実
稲田防衛大臣が日報(電子データ)の存在を2月中旬に知りつつ、隠蔽していたのであれば、大きな問題です。しかし、時系列を確認すると朝日新聞の主張は辻褄が合わなくなるのです。
この点を視聴者や読者に伝えないニュースは明らかに価値がないと言えるでしょう。
1:問題の日報は2017年2月7日には公開されている
マスコミが騒いでいる南スーダンでの PKO 活動時の日報ですが、2017年2月7日に公開済みです。これは NHK の時論公論でも取り上げられており、事実と断言できることです。
「2017年2月7日に公開された資料(=日報)」を2017年2月15日に防衛省で行われた会議で隠蔽するかを議論することはありえないでしょう。
また、朝日新聞は「稲田大臣は会議の数日前(=2月12日頃)に資料の存在を報告されていた可能性がある」と報じていますが、1週間前の時点で資料は公開されているのです。資料の存在を大臣が知っていたとして、何の問題があるのでしょうか。
2:時系列
南スーダンでの PKO 活動の日報をめぐる時系列は以下のとおりです。
2016年7月 | 日報が作成される |
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2016年10月 | ジャーナリストの布施祐仁氏が7月7日〜12日の日報公開を請求 |
2016年12月 | 「破棄されていた」として、防衛省が不開示を決定 |
2016年12月下旬 | 自民党議員が再調査を依頼 |
2016年12月26日 | 電子データでの保存を確認 |
2017年1月27日 | 稲田大臣が報告を受ける |
2017年2月7日 | 防衛省が日報の保管を認め、公開される |
2017年7月中旬 | 「2月15日の会議で稲田大臣が日報の隠蔽を指示した」とマスコミが騒ぐ |
“日報” とひとくくりにしても、特定個人の主観が多く含まれた『個人の日報』と所属組織のチェックを踏まえた『行政文書としての日報』では扱いが大きく異なります。
『個人の日報』であれば、主観が入りすぎていたり、場合によっては改ざんの恐れもあります。また、所持が認められていない部門・部署が『日報』を保持していたのであれば、それは “情報管理” の問題です。
少なくとも、メディアが今現在騒ぎ立てている日報の問題は「破棄されたものが見つかった」との表現ですから、2月6日に公開済みのものです。これを視聴者や読者に正確に伝える必要があると言えるでしょう。