「文科省が加計学園からの相談を受けていたのは “加計ありき”」との批判は誤り
7月24日に行われた衆院予算委員会で「加計学園への伝達事項」と記された文科省の新たな内部文書を理由に “加計ありき” との批判を行う勢力があります。
松野文部科学大臣の答弁が内容・時系列ともに正しいのですが、状況をまとめておく必要があると言えるでしょう。
■ “新たな内部文書” に記載されていた内容
NHK が伝えた内容は次のとおりです。
国家戦略特区の選定過程において、文部科学省が作成した新たな内部文書の存在も確認されました。
これは「加計学園への伝達事項」と題された文書で、加計学園が獣医学部新設の事業者に決まる2か月前に文部科学省から学園側に懸念する内容を伝えるためにまとめたものです。四国における具体的な需要や学園の資金など獣医学部新設の条件をクリアするための課題が具体的に記されています。
野党はこの内部文書を「加計ありきの根拠」と主張していますが、事実とは異なります。
■ 切り捨てられている事実
まずは時系列を確認する必要があります。
松野文部科学大臣は「学部新設を文科省に相談することは特区認定前でも可能」と述べており、それは京産大も行っていることからも明らかです。
1:門前払いした張本人は文科省
京都産業大学を門前払いをしたのは文部科学省です。その時期は2015年12月であり、文科省が「獣医学部の新設は絶対に認めない」とのスタンスを固辞している時です。
文科省は2016年3月31日までに「獣医師が足りていること」を証明できれば、規制緩和は行われないという状況でしたので、門前払いをした対応はまだ理解されるものと言えるでしょう。
2:挙証責任を果たせなかった後の「獣医学部新設の相談」は門前払いにできない
加計学園が文科省に獣医学部新設についての相談を行った件ですが、文科省が挙証責任を果たす(=獣医師は足りていると証明する)ことができなかった後の話です。
ここで “門前払い” をする方が問題となるでしょう。「獣医学部の新設」を拒む要素は皆無であり、そのタイミングで学校法人が相談に訪れたからです。この時点で “岩盤ありき” が通用しなくなっていただけなのです。
去年や一昨年などを使い、疑惑を報じる記事は具体的な年(2014年、2015年)に直し、時系列を整理することがオススメです。なぜなら、全く問題ないことが浮き彫りになる場合が往々にしてあるからです。メディアが局所的に報じ、問題視している時は注意が必要です。