環境基準値を超える有害物質ベンゼンが漂う中で取引された食料品が安心・安全であることを『築地女将さんの会』は説明しろ
「築地市場の空気中から環境基準を上回るベンゼンを検出した」と東京都が発表したことを日経新聞が記事にしています。
開放型の市場である築地市場で基準値を超えるベンゼンが空気中から検出されたことは問題です。築地市場の移転反対を掲げる『築地女将さんの会』などは「築地の安全性」について説明する責務があると言えるでしょう。
東京都は31日、築地市場の空気中から環境基準をわずかに上回る有害物質ベンゼンを検出したと発表した。5月の土壌調査で揮発するおそれのあるベンゼンと水銀を検出した一部の地点について、7月中旬に空気を測定。水銀は不検出だった。都は「ベンゼンが土壌から揮発した可能性は低い」とみているが、10月ごろに空気を再測定し原因を探る。
ベンゼンが検出された理由はおそらく車両の排気ガスでしょう。交通量の多い都市部で測定すれば、環境基準を超える値が検出されても不思議ではないからです。
問題となるのは「築地市場が開放型であり、取扱商品が大気中の汚染物質に直にさらされていること」なのです。
この指摘は豊洲への移転反対を求める勢力が声をあげた際に一部では指摘されていたことです。それを「豊洲市場は危険、築地は安心」などと誤魔化して来た訳ですが、科学的な根拠によって主張内容の矛盾が指摘されることとなったのです。
1:築地の汚染から目を背ける『築地女将さん会』はクズの集まり
豊洲市場への移転反対を訴えている『築地女将さん会』の “食の安全” とはどのようなものなのでしょうか。『築地女将さん会』の 会長を務める山口タイ氏(樋徳商店)は女性自身に次のように述べています。
「私たちは、移転したら“食の安全”が守れないと、15年も前から汚染などについて勉強し、反対を訴えてきました。その後、盛り土がなされていなかったり、次々と有害物質の存在が明るみに出ましたので、移転してしまっていたらと考えるとゾッとします」
15年前から汚染について勉強してきたのであれば、自分たちが営業している築地市場も同様に汚染されていることは知っているはずです。知らないのであれば、明らかに勉強不足でしょう。
しかも、築地市場で豊洲市場と同様の調査を行ったところ、豊洲以上の汚染が見つかったことに対して沈黙を続けている様こそ、消費者に対する裏切りなのです。
2:汚染された環境で取引した食料品を売り付けて儲ける姿勢は醜悪
環境基準値を超えるベンゼンが検出された場所で食料品の取引を継続することを希望し、自分たちは利益を得る。この姿勢のどこに “食の安全” が担保されているのでしょうか。
『築地女将さん会』は築地市場の維持を要求していますが、そこで取扱される食料品は環境基準値を超えるベンゼンにさらされているのです。
彼女らが「安心できない」と批判した豊洲市場では起き得ない環境汚染が築地市場では現に発生しているのです。“安全でない環境” の築地市場を安心だと強弁し、消費者の安全を脅かす一方で自分たちは私服を肥やしているのですから批判されて当然と言えるでしょう。
要は利権を確保し続けたいが、資金繰りに苦しんでいる仲卸業者のわがままなのです。そのツケを消費者が負担する意味があると言えるのでしょうか。
3:築地で取引された食料品が安心・安全であるとの説明責任を果たせ
これまで『築地女将さん会』は「豊洲は安全ではない、安心できない」との批判を続けてきました。
ただし、今後は逆の立場となります。築地市場の空気中を漂うベンゼンが環境基準値を超えていたのです。そこで取引された食料品が安心・安全であるとの説明を消費者に果たさなければなりません。
もし、説明責任を果たさず、築地で商売を続けるのであれば、悪徳業者そのものと言えるでしょう。豊洲や福島にレッテルを貼り続けてきましたが、最も汚染されていたのは自分たちの市場だったという笑えない事態が起きているのです。
汚染された場所で取引された食料品が高級品に化けるなら、これほどオイシイ商売はありません。自分たちがクズでないことを証明するという意味においても、「築地市場が安全である」ということを丁寧に説明する必要があると言えるのではないでしょうか。