マクロン大統領、就任3ヶ月で支持率が 30% 台にまで落ち込む

 フランスのマクロン大統領の支持率が 30% 台にまで落ち込んでいるとの世論調査が出ていると日経新聞が報じています。

 ハネムーン期間が終了したこともあり、今後は内政の失敗に厳しい批判が飛ぶことでしょう。今後は “責任と負う立場にない外交問題” でキレイゴトを述べ、ポイント稼ぎに注力することが予想されるだけに受け流す必要があると言えるでしょう。

 

 フランスのマクロン大統領が14日で就任3カ月となる。大統領選、議会選と快勝して政治基盤を固めたが、足元では支持率の低下が著しい。支持率は4割を下回り、不人気とされたオランド前大統領の就任後の同時期を下回った。歳出削減に本格的に着手し、国民が反発している。外交で存在感を示すマクロン氏だが、内政では合意形成の難しさに直面している。

 調査会社Ifopによると直近のマクロン氏の支持率は36%と、6月の64%から30ポイント近く下げた。他の調査結果も支持率の低下傾向は似る。

 

 マクロン大統領の支持率ですが、Ifop 社と YouGov 社の調査で 36%、エラブ社で 40% と「4割弱」にまで落ち込んでいます。

 就任時より支持率が下がることは特筆事項ではありませんが、支持率が 50% を切っていることは非常に深刻です。マスコミが好意的に報じる紳士協定である “100日のハネムーン期間” が終了する時期が近づいていることを考えると、厳しい立場に立たされることになるでしょう。

 

1:支持率を低下させたマクロン大統領の政策と対応

 大統領選の時点で “分断” に注目が集まったフランスですが、そのことを差し引いても、支持率は急激に低下していると言えるでしょう。マクロン政権の支持が落ちた原因として以下のような原因が考えられます。

  • 利益供与疑惑で4閣僚が更迭
  • 財政赤字を GDP 3% 以内に抑えることを徹底
  • 住宅費補助の削減を発表
  • 国防費削減に反対する軍のトップに対し、高圧的に対応

 これだけの失態をした上でも支持率は4割弱がある訳ですから、情勢を立て直すチャンスは十分に残されています。政治家として必要な能力を持っているかがポイントとなるはずです。

 

2:責任を負う必要のない北朝鮮情勢に口出しし、ポイント稼ぎを狙うマクロン大統領

 内政でポイントが稼げないなら、外交でポイントを稼ぐのは常套手段です。ただ、マクロン大統領の場合は自国とは関係のない北朝鮮情勢でキレイゴトを述べる有様です。

 「すべての当事者に緊張の激化を防ぐよう呼びかける」と自制を求めたと NHK が報じており、事態が飲み込めていないことは明らかです。国際社会からの制裁を受けても、核兵器および弾道ミサイルの開発を北朝鮮は行ってきました。

 “自制” という言葉では何も解決しなかったのです。北朝鮮の核ミサイルがフランスに到達する可能性はゼロですから、無責任なキレイゴトが言えるだけなのです。

 

 「既存政治を変える」と目新しさで誕生したマクロン政権ですが、4閣僚が利益供与疑惑で更迭。出だしで “既存政治の悪しき部分” を露呈し、つまづくこととなりました。

 その上、財政再建に重きを置きすぎました。住宅費補助の削減で弱者層の反感を買い、防衛費の増加を突っぱねたことで軍との関係も悪化。その際の対応も高圧的で、印象を悪くしました。労働法を改正することで解雇しやすくする法案を示す予定であり、さらに支持率が低下する可能性があります。

 それと反比例する形でフランスが直接的な影響を受けない外交でマクロン大統領がキレイゴトを述べる機会が増えることが予想されます。一部のリベラルにとっては耳触りの良い言葉であり、それを自説の根拠にする界隈も出てくるでしょう。そうした言論に流されないよう注意する必要があると言えるのではないでしょうか。