朝鮮半島有事で武装難民が発生することは想定されることであり、マスコミを含めた有識者は対策を示すべき

 麻生副総理が講演で、「朝鮮半島からの難民の中に『武装難民』が紛れ込んでいた場合、対応をどうするのか」と言及したと朝日新聞が伝えています。

 これは現実に起きる可能性のあることであり、具体的な対応プロセスを確立させておく必要があります。発言の一部分だけを切り取り、不適切などと批判することこそ、日本の安全保障を脅かす元凶だからです。

 

 麻生太郎副総理は23日、宇都宮市内での講演で、朝鮮半島から大量の難民が日本に押し寄せる可能性に触れたうえで、「武装難民かもしれない。警察で対応するのか。自衛隊、防衛出動か。射殺ですか。真剣に考えなければならない」と語った。

 

 中学生の読解力が問題となっていましたが、読解力が悲惨な大人もいます。この麻生副総理の発言を「難民は射殺しろ」と受け取る人がいるのですから、読解力が欠如している大人は大勢いるということを意味しています。

 「難民を受け容れろ」と安全な都会に住むリベラルは主張することでしょう。しかし、その要求を実現するにはコストがかかります。したがって、予算をどのように確保するかを示さなければ単なるキレイゴトに過ぎないのです。

 また、武装した人物が(複数人の規模で)難民の中に紛れ込んでいる可能性が十分にあり、その場合の対応を定めておくことは避けては通れない状況となっているのです。

 

1:「武装難民は船舶で他国に来ることはない」という思い込み

 麻生副総理の発言を批判する人々が根拠とするのは「武装難民が船舶で他国に上陸したケースはない」というものです。多くの場合は陸続きで移動しているため、船で他国には行くことはないとの “思い込み” に囚われてしまっているのです。

 しかし、現実は違います。

 武器と船舶が用意できれば、日本にも北朝鮮からの武装難民が押し寄せるのです。昔と比較して船舶の性能は向上しています。北朝鮮の一般的な漁船でも日本海のほぼ中央に位置する大和堆(やまとたい)で違法操業していることが問題となったことがあるのです。

画像:大和堆(やまとたい)の位置関係

 軍の関係者であれば、燃料の融通も効くでしょう。その上、武器の調達も一般人とは格段に容易な立場にあります。むしろ、「北朝鮮からの武装難民が船舶で日本に来ることはない」と考える方が “完全なお花畑” なのです。

 

2:朝鮮半島からの難民は十分に想定できること

 マスコミにとっては興味の低いテーマですが、朝鮮半島有事に備えた政策議論は本格的に行われていなければならないことです。なぜなら、2017年3月の時点で「アメリカが武力行使を検討している」と報じられていたからです。

 当然、以下の4項目についての具体的な政策が必要となります。

  1. 在韓邦人の退避策
  2. 韓国/北朝鮮から攻撃を受けた際の報復策
  3. 日本国内で民団(韓国)と総連(北朝鮮)が衝突した場合の対応策
  4. 朝鮮半島からの難民対応

 マスコミが『社会問題』に関心があるなら、この点についての報道が行われ、選挙の争点にもなっていたでしょう。しかし、安全保障に関するテーマからは逃げ、森友や加計といった根拠すら示せない『疑惑』ばかりを騒ぐ有様なのです。

 朝鮮戦争後、日本に密入国した韓国人・北朝鮮人は「自分たちは強制連行された」とデマを吹聴し、被害者ビジネスに勤しみました。そうした “悪しき前例” を繰り返さないためにも難民対策を講じておくことは絶対に必要であると言えるでしょう。

 

3:年金や医療などの社会保障を削れば、難民受け入れ予算は捻出できる

 リベラルを中心に「難民を受け入れろ」との主張が繰り広げられています。もし、予算の捻出が必要になったのであれば、「年金や医療などの社会保障を削減し、難民用の予算を準備します」と左派に言わせるべきです。

 それが政治姿勢的にも矛盾のないことです。その上で、「自国民が払った税金を “自国民の弱者” に回すのか、それとも “外国籍の難民” に回すのか」を問えば良いのです。

 「外国籍の難民を優遇する」との民意が選挙で示されるまでは難民受け入れを要求する左派が難民の面倒をすべて見なければなりません。また、武装難民や武装解除に応じない人物に丸腰で対応することはリスクがあり、最前線で対応する警察官・自衛官・海上保安官の “身の安全” を守るために必要な装備や対応手段を準備しておかなければなりません。

 安全が確保された “ゲートタウン” の中から口先だけのキレイゴトを述べるのではなく、当事者意識を持ち、具体的な対策を論じることが求められているのではないでしょうか。