アッズーリはナポリのマウリツィオ・サッリ監督を招聘し、代表チームの立て直しを図るべき

 サッカー・イタリア代表が60年ぶりにW杯出場権を逃すこととなりました。

 常連チームだっただけに結末は意外なものだったと言えるでしょう。出場権を逃した大きな原因は「攻撃陣が機能しなかったこと」です。この部分を改善することができる監督にチームの立て直しを託す必要があると思われます。

 

1:“攻撃ユニット” が存在しなかったアッズーリ

 クラブチームの資金力が高まったこともあり、「代表チームが世界最高」という時代は終わりを迎えました。そのため、代表チームが安定した強さを発揮しているチームは “クラブチームの攻撃ユニット” を直接持ち込んでいるという特徴があります。

  • スペイン代表:バルセロナ+レアル・マドリード
  • ドイツ代表:バイエルン・ミュンヘン

 スペインやドイツというW杯で結果を残しているチームは国内にあるメガクラブの戦い方がベースになっています。

 アッズーリもユヴェントスがベースになっていますが、上述の2カ国と異なるのは「ユベントスにはイタリア代表の攻撃ユニットがないこと」です。そのため、攻撃陣には「連動性が生まれない」という問題点が浮き彫りとなるのです。

 

 

2:新監督にはナポリのマウリツィオ・サッリが適任

 ヴェントゥーラ監督は職を辞す結果となるでしょう。後任にはカルロ・アンチェロッティ氏の名前が出ていますが、『調整型の監督』であり、代表チームが小粒化している状況での適任者とは言えません。

 現状のイタリア代表に最も理想的な監督はナポリで指揮をとるマウリツィオ・サッリ監督でしょう。なぜなら、次のような利点があるからです。

  1. “ヨーロッパで最も美しいサッカー” を展開
    → 率いるナポリは現在セリエAで首位(第12節終了時点)
  2. ナポリの人件費はセリエAで5番目
    → トップのユヴェントスのおよそ半分
  3. サッリ監督の年俸も、イタリア代表監督と同水準

 高額年俸で能力の高い選手を獲得することが難しいナポリで質の高いサッカーを展開し、結果も残しているのです。また、サッリ監督自身の年俸(推定170万ユーロ)も、代表監督のもの(推定150万ユーロ)と同水準であり、オファー額がネックになることはないと思われます。

 唯一のネックとなるのは「 “ナポリの名物会長” の意向」ぐらいでしょう。有能な監督を代表チームに取られることに反対する可能性は十分に高いと考えられるからです。

 

 代表監督が『クラブチームを率いた監督が引退前にする仕事』という状況では立て直しは困難を極めることでしょう。サッリ監督のように若手選手を伸ばし、チームを成熟させることに長けた監督にオファーすることが再建に向けた第一歩になると言えるのではないでしょうか。