ICAN が「東欧諸国歴訪より我々の事務局長と面会しろ」と日本政府に要求、横暴な活動家の馬脚を表す

 ノーベル平和賞を受賞した ICAN (アイキャン)が「安倍首相との面会を内閣府に申し入れたが、“調整困難” との回答があった」と発表し、NHK などが報じています。しかし、このニュースは事実とは異なるため、注意が必要です。

画像:ICAN の主張内容に対する事実確認

 

■ ICAN 側の主張

1:ICAN の行ったツイート内容

 ICAN はツイッター上で「16日まで事務局長が来日中だから、安倍総理と面会したい」との要望を投稿します。
(16日までとしたのは ICAN のツイートミスで、実際は18日まで滞在)

画像:ICAN によるツイート1

 当然、唐突な要求をツイートしたことで批判を受けることになります。すると、ICAN は「12月下旬から事務局長が東京滞在する3日間での面会要請をしていた」と弁解するツイートをしました。

画像:ICAN によるツイート2

 つまり、事前に面会の申し入れはしていたが、安倍首相が消極的だったと主張したいのでしょう。NHK も ICAN 側の主張内容をそのまま報じています。

 

 

2:NHK が報じたニュース内容

 NHK は1月15日付けで ICAN の主張を裏付けをすることなく、以下のように伝えています。

 ICANのベアトリス・フィン事務局長は今月12日から来日し長崎や広島を訪問していて、東京では各政党との意見交換を行う予定です。これに合わせてICANは安倍総理大臣との面会も内閣府に申し入れていましたが、14日までに外務省から日程調整が難しいと返答があったということです。

 この内容は公共放送として失格でしょう。なぜなら、ICAN 側が要請した時点で日程調整は不可能であることは明らかだったからです。

 

■ 事実

1:安倍首相の東欧諸国への歴訪は12月中旬に発表済

 安倍首相がバルト3国のエストニアなどを訪問する予定であることは昨年(2017年)12月中旬の時点で発表されていることです。

 政府は、安倍晋三首相が来年1月中旬にバルト3国のエストニアを訪問する調整に入った。同国訪問は第1次安倍内閣を含めて初めて。海外訪問の日程は1週間程度とみられ、周辺国の歴訪も検討している。

 毎日新聞は12月14日の時点で上記のように報じており、今年1月中旬に安倍首相が東欧諸国を歴訪することは決定していたのです。

 12月中旬の時点で確定していなかったのは「エストニア以外でどの国を訪問するか」という点だけです。この事実を見落としてはならないことは言うまでもありません。

 

2:ICAN の面会要請は安倍首相の東欧諸国歴訪が決まった後のこと

 時系列を整理すると、ICAN の要請内容がいかに身勝手なものであるかが浮き彫りとなります。

  • 2017年12月中旬:安倍首相が2018年1月中旬に1週間の日程でエストニアを始めとする国を歴訪すると発表
  • 2017年12月下旬:ICAN が1月中旬に来日する事務局長との面会を要請
  • 2018年1月:外務省が「調整不可」と返答
  • 2018年1月14日:ICAN がツイッター上で「面会しないのはおかしい」と逆ギレ

 東欧諸国への歴訪が決まった後で、ICAN 側が面会を要請したとの事実を伝えることがマスコミの役割と言えるでしょう。それをしないのですから、活動家がテレビカメラの前でパフォーマンスをする “茶番” を視聴者が見せつけられることになるのです。

 

3:ICAN はアポイントメントの重要性を理解できない上から目線の団体

 「核兵器で日本列島を海に沈めてやる」と恫喝する北朝鮮と関わりが深いピースボートが関連する ICAN という団体が日本の総理大臣に面会を要請している時点で断られる理由となるでしょう。

 最も、ICAN 側に面会する気があったのかが怪しいところです。彼らは自分たちが呼び寄せたテレビカメラの前で「なんで面会を拒むのか、日本は核兵器廃絶をする気はない」と主張すれば、団体の活動アピールになるからです。

 核廃絶を訴えるなら、核保有国の首脳に面会を要請することが最優先でしょう。ICAN がやっていることは活動家の身の安全が保証される日本で「核兵器廃絶のパフォーマンス」をしているに過ぎません。

 行政が汗をかいて手にした結果を横取りし、我が物顔で自慢するしか能のない活動家団体は社会に迷惑をかけるだけであることを自覚する必要があるのではないでしょうか。