「警察は反ユダヤ主義に基づく犯罪は何でも極右のものと決めつけている」とユダヤ団体が批判

 WSJ によりますと、反ユダヤ主義に基づく犯罪が発生しているドイツでユダヤ人団体が警察の発表内容に不信感を抱いているとのことです。

 「先入観に基づく発表が行われている」と批判しており、“実感とのズレ” が不信感をもたらしているのでしょう。(取り締まる側の行政にとって)不都合な現実が起きているのだと考えられます。

 

 German police attribute more than 90% of cases nationwide to far-right offenders. But Jewish activists and victim representatives say the data are misleading because police automatically label any incident where the perpetrators aren't known as coming from the far right.

 WSJ が報じた記事の概要は以下のとおりです。

  • ドイツ警察は 90% 以上を極右の犯行と見なしている
    (ドイツでの反ユダヤ犯罪数は全体で1453件:2017年)
  • ユダヤ人活動家はデータはミスリードと主張
    → 判断できないものも「極右の犯行」として自動的にカウントしているから

 「反ユダヤ主義の極右による犯行」という “お決まりのパターン” ばかりではないことが現実です。社会の取り巻く情勢が変われば、犯行動機にも変化が生じることになるでしょう。「変化が起きてはならない」という考えの方が問題なのです。

 

イスラムとユダヤの関係は良好とは言えない

 第二次世界大戦の前後は「反ユダヤ主義の極右による犯行」が大半を占めていたことでしょう。このことを否定する人はいないと思われますし、“専売特許” のような状況だったはずです。

 しかし、戦後70年以上が経過した現代では時代情勢そのものが大きく異なっています。

 特に、イスラム教徒の絶対数がヨーロッパで大きく増加しました。エルサレム問題などが存在するため、イスラム教徒とユダヤ人の関係は良好とは言えません。

 そのため、絶対数が増加したイスラム教徒の中に “ユダヤ人に対する敵意をむき出しにする過激な人物” が一定の割合が存在することは当然です。絶対数は少なくとも、そうした人物が起こした犯罪が統計に反映されていないようでは不信感が芽生えることは当たり前と言えるでしょう。

 

「被害者がユダヤ人=反ユダヤ犯罪」という安易な決めつけにピリオドを打つべき

 「被害者がユダヤ人であれば、『反ユダヤ犯罪』として厳しく罰するべき」という “要望” が昔はあったのでしょう。ユダヤ系の団体も、その方針に賛成していた経緯があったのだと考えられます。

 ところが、時代の経過とともに「安易な決めつけ」への批判が強まりました。そのため、安易なレッテル貼りで事件が報じられると、被害者および加害者と名指しされた双方が仲違いを起こす原因になってしまう恐れがあるのです。

 したがって、“特別対応” を止める必要があるでしょう。

  • 犯罪行為を動機別に分類
    • 加害者の個人的(一方的)な恨み
    • 突発的 / 無差別的
    • 特定の人種を対象としたヘイトクライム
      • ユダヤ人を対象にした犯罪
      • ユダヤ人以外が人種的理由で狙われた犯罪
    • その他

 「ユダヤ人が被害者となったケース」だけマスコミが大々的に取り上げるのは奇妙なことです。人種差別の被害に遭うのはユダヤ人だけではないからです。

 また、『ユダヤ人によるヘイトクライム』も探せば見つかるはずですから、特定の人種だけが過剰に保護されている現場こそ、社会の分断を招く原因であることを自覚しなければなりません。

 

 「被害者カード」を振りかざし、『ユダヤ利権』を死守するために活動するユダヤ系団体(自称・成りすましを問わず)が存在する限り、反感を買い続けることになるでしょう。

 ユダヤ系団体が「反ユダヤ主義は以ての外だが、ユダヤ人以外に対する人種差別的な犯罪も同様に以ての外である」と宣言し、すべての人種差別に基づく犯罪行為を同じ基準で批判することが事態悪化をさける有効策と言えるのではないでしょうか。