逢坂誠二議員(立憲民主党)が「災害は補正予算で対処しろ」と『災害復旧用の予備費』の存在を無視した批判ツイートを行う

 立憲民主党の逢坂誠二議員が「補正予算を使わない安倍政権は自己保身に走っている」とのツイートをしています。このツイートは『災害復旧のために予備費』を無視しており、悪質と言わざるを得ません。

画像:逢坂議員のツイートに対するファクトチェック

 

■ 逢坂議員によるツイート

 逢坂誠二議員は以下のツイートを行いました。

画像:逢坂議員のツイート

 逢坂議員は熊本地震を引き合いに出し、「補正予算」に言及しない財務省(や安倍政権)を批判しています。

 この情報だけなら、逢坂議員の主張に賛同する人も現れることでしょう。しかし、「補正予算」の扱いについては10日の時点で麻生財務相が言及しているということを無視しているという事実を指摘しなければなりません。

 

■ 事実

1:「『災害復旧のために予備費』を使っても不足するなら、補正予算を検討」と明言済み

 政権の対応ですが、10日(火)に行われた閣議後の記者会見で麻生大臣が以下のように言及したと時事通信を始めとする各メディアが伝えています。

画像:「予備費の活用」を報じる時事通信

 麻生太郎財務相は10日の閣議後記者会見で、西日本を中心とする豪雨被害への対応について、2018年度当初予算の予備費など約4200億円を活用する方針を示した上で、「不足したら補正予算を考える」と述べた。

 18年度予算では災害復旧のために予備費として3500億円、道路などの公共用土木施設を復旧する費用として740億円を計上している。

 「災害復旧のための予備費(4200億円)を使い、それでも足りないようであれば補正予算」と明言しているのです。この対応に問題があるなら、どこが問題なのかを指摘しなければなりません。

 逢坂議員の指摘は的外れと言わざるを得ないでしょう。

 

2:補正予算の議論なら、「立憲民主党が災害復旧に貢献した」とアピールできる

 『災害用の予備費』があるにもかかわらず、「補正予算が組まれないのは自己保身」などと主張することは順序が間違っています。

 予備費が底をついている訳でもなく、支出すら始まっていない段階で「補正」に頭が向いている方が問題です。逢坂議員が復旧に必要な額を把握しているのであれば、その額を明言・明記すべきでしょう。

 見切り発車の状態で野党が『補正予算』に拘る理由は「国会での審議を通して、被災地にアピールできるから」だと考えられます。『予備費』で対処されてしまうと、予算を通した政府・与党の手柄になるため、野党はポイントを稼ぐことはできません。

 ですが、「補正予算の審議」があれば、“被災者の思い” を国会で熱弁する野党議員をテレビは大きく取り上げてくれます。パフォーマンスの舞台を要求していると考えれば、「野党らしさが如実に現れた行為」と言えるのではないでしょうか。