「日本の若者への職業教育」を主目的に認可を得ている専門学校で、外国人学生が9割以上の学校が存在することは問題だ

 読売新聞によりますと、日本の若者の職業教育を主目的に学校教育法に基づく設置許可を受けている専門学校で、外国人学生の割合が9割以上となっている学校が全国で少なくとも72校になっていることが明らかになったとのことです。

 この件は速やかに是正する必要があると言えるでしょう。なぜなら、授業料無償化の対象となっている可能性があるなど、運営する学校法人が様々な恩恵を受けていることが考えられるからです。

 

 学校教育法に基づく認可を受けた全国の専門学校のうち、外国人学生の割合が9割以上の学校が少なくとも72校に上ることが、読売新聞の調査でわかった。このうち35校は全員が外国人だった。近年、少子化で学生確保に困る学校などが留学生を集めているためとみられる。一方で専門学校は、主に日本の若者の職業教育を目的に認可を受けており、文部科学省は実態調査に乗り出す。

 読売新聞が「少なくとも72校」と報じている理由は東京都の数字が集計未完了で含まれていないからです。

 2017年の時点で「生徒全員が外国人の専門学校は東京都に9校あった」とのことですから、生徒が全員外国人の専門学校は45校前後、外国人学生の割合が9割を超える専門学校は100校弱存在していると言えるでしょう。

 

『日本の若者への職業教育』が主目的の専門学校で、外国人学生の割合が高すぎることが問題

 留学生が存在することは問題ではありません。なぜなら、良い授業や研究を行っている学校には世界中の学生が進学を希望するからです。

 ただ、学校が掲げる “本来の目的” と逸脱している場合は話が別です。読売新聞が報じたのは「主に『日本の若者の職業教育』を目的として設置許可を得た専門学校で、外国人学生の割合が9割を超えている学校が多数存在する」ということであり、この実態は本来の目的とはかけ離れていると言わざるを得ません。

 『日本の若者への職業教育』を施すとの条件で専門学校の設置が許可され、優遇政策の恩恵を運営する学校法人は得ているのです。

 “本来の目的” から逸脱している専門学校が多数存在していること自体が問題ですし、速やかに是正する必要のある案件です。『外国人への職業教育』が主目的となっている学校に日本の税金が費やされている行為を野放し状態にしている文科省の責任は重いと言わざるを得ないでしょう。

 

「専門学校の学生」という『肩書き』を有する外国人は日本の健康保険制度を利用できてしまうのでは?

 専門学校の学生の大多数が外国人であるということは「別の問題」を引き起こす温床になる可能性もあります。

 『学生』の肩書きを有しているのであれば、正規の滞在ビザを保持していることでしょう。それにより、住民登録や国民健康保険への加入が可能となるのです。

 つまり、日本の社会保険制度を “悪用” することができてしまうのです。

 外国人が9割以上も占める専門学校では日本国外で学生を募集し、来日するための学生ビザを得ているはずです。その時点で日本で医療行為を受けたい人物が紛れ込むことは可能ですし、制度を「悪用」しただけで「不正」ではないため、取り締まりが機能しないという悪循環を生む要因となっていることに留意しなければなりません。

 

学校教育法に基づく専門学校に対し、『外国人学生の割合』についての上限を設けるべきだ

 外国人学生が『学校教育法に基づく専門学校』に通うことに問題はありませんが、『割合』については上限を設けるべきです。なぜなら、『学校教育法に基づく専門学校』の主目的が「日本の若者への職業教育」だからです。

 「外国人への職業教育」が『学校教育法に基づく専門学校』の主目的になっているのであれば、設置許可の理由に反していると言わざるを得ません。設置要件を満たしていない学校への許可は取り消さなければならないはずです。

 また、外国人留学生頼みの学校経営の実態を是正するという点においても、「外国人学生の割合に対する上限」を設ける意味はあると言えるでしょう。

 1条校という形で許可を得ていれば、教育無償化の恩恵を学校法人は手にします。つまり、生徒がいれば学校法人の運営は保てるため、外国人留学生を確保することで延命を図るという経営者が出てきているのです。

 「教育の質」よりも、「学校法人の運営基盤」が優先されているのですから、良い高等教育を受けられる保証はなりません。その結果、税金が費やされているにも変わらず、質の悪い生徒が卒業することになっていまうのです。この問題に対し、管轄責任を持つ文科省が積極的に取り組む必要があると言えるのではないでしょうか。