HUNTER×HUNTERの “ドッキリテクスチャー” が現実に?花王が驚きの新技術を発表

 化粧品大手の花王は「自然な積層型の極薄膜を肌表面に作る新技術を開発した」と公式ウェブサイト上で発表いたしました。

 漫画『HUNTER×HUNTER』に登場するヒソカが使用する “ドッキリテクスチャー” が現実のものになりつつあると言えるでしょう。応用度は高いだけに様々な分野において “革命” が起きる可能性があるからです。

 

 花王株式会社(社長・澤田道隆)は、直径がサブミクロンの極細繊維を肌に直接噴きつけることで、軽く、やわらかく、自然な積層型極薄膜を肌表面につくる「Fine Fiber(ファインファイバー)技術」を開発しました。

 この技術を花王が展開する多様な製剤と組み合わせて用いることで、スキンケアやメイクといった化粧品の領域において、これまでの常識を超える新たな提案の可能性が見えてきました。将来的には、治療領域への応用も視野に入れ、研究を進めています。

 なお、本研究内容は、今後、繊維工学や皮膚科学、化粧品科学等の関連学会での発表を予定しています。

 

ドッキリテクスチャー(薄っぺらな嘘)

 人気漫画『HUNTER×HUNTER』に登場するヒソカというキャラクターは “ドッキリテクスチャー(薄っぺらな嘘)” という技を使うのですが、その代表例が以下のものです。

画像:ヒソカが使うドッキリテクスチャー

 技の能力は「自身のオーラを様々な質感に変化させ、平面上を覆い隠す」というもので、作中の説明は「非常に上質なカラーコピーのようなもの」とあります。

 触るとバレてしまうという問題があることも明記されていますが、「人の目を(一時的に)欺く」という点は使い勝手が良いと言えるでしょう。

 今回、花王が発表した『Fine Fiber(ファイン・ファイバー)技術』はドッキリテクスチャーと同じことができる可能性があることが大きな注目点なのです。

 

Fine Fiber(ファイン・ファイバー)技術

 花王が Youtube に投稿した映像を確認すると、トリック映像を見せられたかのような衝撃を受けることでしょう。それだけ極薄で、肉眼で確認することが難しい膜ができているからです。

 つまり、肌など立体的な表面を覆うことが可能な極薄膜が開発されたのです。その極薄膜の上にペイントを施すことで、“ドッキリテクスチャー” でできることが現実世界ででも可能になります。

 これは技術の大きな進化だと言えるでしょう。

 

実用化となれば、革命が起きるポテンシャルがある

 『ファイン・ファイバー技術』が実用化されれば、様々な面において “革命” が起きると予想されます。なぜなら、それだけ応用度が高い技術だからです。

  • メイク:透湿性が確保されているため、肌へのダメージが減少
  • タトゥーシール:極薄膜の上に『タトゥーの図柄』を貼る・描く
  • 傷・タトゥー隠し:極薄膜の上から『肌メイク』を行う
  • 医療用シート:治療用の薬剤を染み込ませた極薄膜として利用可能

 ざっと羅列するだけでも上記の4つがあるのです。しかも、世界のどの市場においても一定のニーズが見込める分野ですので、成長に対する期待を持つことができると言えるでしょう。

 ただ、販売当初は高価格になることが予想されます。そのため、まずはモデルや女優を対象にしたメイク部門で収益化を図るべきでしょう。

 女優ライトなどでの “誤魔化し” はテレビが高画質化した現在では限界に達しつつあります。ドラマや映画で騙し切ることが年々難しくなっているのですから、美意識の高い女優やモデルのプライドを納得させる『花王の全く新しいメイク手法』は必ずニーズがあると考えられるからです。

 そこを足がかりに『傷も隠せる新技術』の実績を積み重ねるべきなのです。

 

 花王が開発した『ファイン・ファイバー技術』が “ドッキリテクスチャー” を現実世界にもたらすことになるのかに注目しておくだけの価値はあると言えるのではないでしょうか。